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連載コラム

第85回「田舎のばあちゃん家でのバーベキューパーティー」を彷彿とさせるブロンコビリーのシズル感がたまらない!

[ 2011年1月6日 ]

 ステーキハウスといえば、もちろん肉がウリだ。
 昨年10月、キャリア・マム事務所の近くにできた「ブロンコビリー」もステーキ&ハンバーグハウスなので、当然「肉」メインの店だろうと思っていた。若い盛り、食べ盛りはとうに過ぎた私たちマダムには、あまり縁のない店かな、と思っていたのだが、なんだかランチタイムになるとものすごく駐車場が混んでいると、スタッフたちが噂し始めた。そして、ついに「ブロンコビリーって、サラダバーがかなり充実してるらしいです。
 さらに、ご飯も魚沼産コシヒカリを使用し、大かまど炊きでおいしいらしいですよ」という情報を得た。「肉も炭火で焼いてるんだって」・・・なんだか、そそられる話ばかりだ。じゃ、行ってみようじゃないの! 私は決断した。12月某日、事務局のメンバー達でランチに行くことにしたのだ。

「ステーキとサラダ」が肩を並べる看板にこの店のスピリットを見た!

 駐車場に車を停めて、店の外観をまずチェック!
 道路に面した大きな看板には、店名の下に、おいしそうなステーキの写真が入っている。が、それだけじゃない、その下のスペースにはステーキと同じ大きさでサラダバーの写真が! 写真のウエイトはまったくの互角。これは、評判どおりかなりサラダバーには期待できそうだ。よく見ると、サラダバーの写真の下には、「大かまどご飯」「コシヒカリ」という看板もある。うーん、たしかに、この店、ただもんじゃないな。
 ステーキとハンバーグ以外にも、しっかりウリを持っている。そして、それをわかりやすく発信している。12時ちょっと前には、ひどく混雑をしてきた駐車場を見ながら、まずしみじみ感心した。

 車を停めて、店内に入ろうとしたら、店の壁面にも大きなディスプレイがあるのに気づいたが、これはもう一面が野菜だ! 肉はなし。これって、ステーキハウスとしてはどうなの? というくらいの野菜オシオシ感。
 いや、それだけじゃない。店内に入る扉の横には、わらがディスプレイされている。昔なつかしい日本の農村ではよく見られた光景だが、ここは、レストランだよ! しかし、このディスプレイの効果は絶大で、いかにも「いい米できました」「ごはんがおいしいよ!」と雄弁に語っている。いやあ、もう店に入る前から、野菜食べる気満々、ご飯食べる気満々になってくるじゃないか。

ステーキハウスとしての本筋もしっかりアピール。

 そして。店に入って驚いた。正面には冷蔵ケースが鎮座している。
 普通ならデザート類などがディスプレイされるようなガラスケースの中には、肉がどかんと入っている。肉だよ、肉がそのまんま。普通ならこれは、バックスペースにあるものだろう? と思うが、つまり「この肉を使ってます」とオープンにすることで、安心感アップさらに購買意欲を高めるという狙いなんだろう。うまいっ!
 店に入るまでには、「野菜食べるぞ、ごはん食べるぞ」という気分がとことん盛り上がっていたのだが、店に入ると今度はいきなりの生肉攻勢、そして・・・なんと、ステーキとハンバーグは、網にのせて炭火焼きしているのが店に入るときに、バッチリ見えるのだ。ジュワッと焼けてしたたる肉汁とか香ばしそうな焼き目とか、嫌でも見える。もちろん、かぐわしい匂いもしてくる。
 この網の前を通ると、「肉、食いたい!」という情熱があふれ出てくる~間違いない! 「もう肉をガッツリ食べるって年齢じゃないし」と思っていたのは撤回! 食ってやる~~~~~! という気分全開だ。
 ちなみに、この肉を焼く網の前には、大きなお釜があって、その場でご飯を炊いている。ガンガン下から火を使ってご飯を炊いているのだ。こんなの見せられたら、嫌でもご飯に対する期待も高まるに決まってる。食べてやる、食べてやる! 肉もご飯もしっかり食べてやる~~~~~!

おばあちゃんのおそうざい感覚が食欲をそそるサラダバーはおかわり必至!

 店に入ったとたん、興奮状態になってしまったが、まだここで終わらない。この店にはまだ最終兵器が残っているのだ。それは「サラダバー」!!!
 これがもう~~~~すばらしい~のだ。
 まず、サラダバーのディスプレイがすごい。「どこの産地で誰が作っているたまねぎ」などまさに生産者の顔が見えるようなPOPがついている。ただのカット野菜でもこのPOPがあれば、「どれどれ」と食べてみたくなる。私が行ったときに出ていた熊本産のサラダたまねぎはほんとに甘味があっておいしかったし。
 さらに、カット野菜だけでなく、ひと手間かかったおそうざい風のフードも何種類か出ているが、これがまたおいしいのだ。これは、とても1回では食べきれない。もちろんおかわりもできるが、ステーキやハンバーグも食べたいし、ご飯も食べたいんだもの。サラダバーおかわりできるかなあ~と小食の私は不安になった。が、やるしかない! ええ、これは食べるしかないよ。今夜は夕飯抜いてもいい、このランチに懸けようじゃないかっ! そんな気になる店だ。

 ここのサラダバー、ステンレスの容器を使ってない。さまざまな大皿、小皿、ガラス鉢などを使って野菜やそうざいを盛っているのだが、これがなんとも味わいがあっていい。田舎のおばあちゃんの家に、夏休みに遊びに行ったとき、親戚や近所の人がたくさん集まってきてご飯を食べたときのごちそうを思い出す。
 家にある大きな皿を総動員してきました、みたいなこの感じが、手作り感や温かみを見事に演出している。そこに載っている野菜まで「裏の畑で取ってきました」みたいに見えてくる。

きわめつけ!「炭火焼きライブ中継」で待っている時間にもわくわく感を盛り上げる。

 このおいしいサラダバーに舌鼓をうちつつ、肉が焼かれて出てくるのを待っている間、ちょっと入口に目をやると、炭火でジュージュー、ステーキやハンバーグが焼かれている。「あれ、私の分かなあ」なんて楽しみながら焼き上がりをつい見守ってしまう。
 席によっては、肉を焼いているところは見えない・・・と思いきや、なんと店内には大きなモニターがあり、そこで肉が焼ける様子をライブ中継しているのだ。
 これはすごい!
 やはり、この店では、肉がジュージュー焼ける様子、そのシズル感も商品のうちなのだ。ランチタイムだと、充実のサラダバーつきの「がんこハンバーグ」が1050円と値段もお手ごろ。さらにこの焼き方を見せられれば美味しく感じないわけがない。
 夏休みのおばあちゃんの家の庭先で、お父さんが張り切って炭火起こして、肉も焼いてくれた~みたいな感じだ。おばあちゃん家の畑の野菜と、おばあちゃんの手作りそうざいでもう大満足、大満腹だけど、この肉の焼ける様子を見たら、やっぱりお肉も食べちゃうよ、パパ! そんな気分になる。

 ここまで満足感の高いランチ、そうそうないと思う。そして、食べること以外の目で見る部分でここまで「おいしさ」を演出できていることに、脱帽だ。同行したスタッフ全員が満足このうえないという至福の表情を浮かべていた。口々に「今度、家族も連れてくる~」「友達に教える」と言っている。たしかに、そうしたくなる店だ。
 「この店、東京ではあまり見ないけど、チェーン店じゃないの?」と私が聞くと、有能なスタッフが即答した。「愛知発のチェーン店です。関東にはまだ8店舗しかありません(東京都4店舗、埼玉県3店舗、神奈川県1店舗2010店12月時点)」。
 うわ、またしても愛知! このところ、身近でよい評判がたっている飲食店にはほんとに愛知発が多い! おそるべし愛知! 今年は、愛知に負けずに私も頑張るぞ! と、決意した「ブロンコビリー」ランチだった。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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