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リテールテックJAPAN 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 幕張メッセ
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楽しい買い物、スマホの導き、イオンモール、飲食の混雑表示、三井不動産は店舗と通販連携。

商業施設、既存店テコ入れ

 テナントからの賃料収入で稼ぐ商業施設でデジタル技術を活用したサービスが相次いで登場している。イオンモールは2019年度内にスマートフォン(スマホ)向けアプリを使い、飲食スペースの席の空き状況を伝えるなどのサービスを開始する。三井不動産はネット通販と店頭の相互送客の取り組みを拡充する。国内の商業施設は出店が飽和状態に近づきつつある。デジタル技術で利便性を高めて顧客に選ばれる施設を目指す。

 イオンモールは3月に始めたスマートフォン(スマホ)向けアプリの機能を拡充する。現在は事前に登録した売り場の情報やクーポンの配信にとどまるが、19年度内に施設内の飲食スペース「フードコート」の席の空き状況の把握や、事前に料理の注文ができる機能を付加する。

 フードコートとは別に飲食店フロアにテナントとして入居するレストランについてもアプリ上で予約できるようにする。来店客が多い土曜日や日曜日はフードコートやレストランは1時間待ちも少なくない。「待つ時間を短縮し、余った時間を買い物で楽しんでもらう」(吉田昭夫社長)狙いだ。

 このほか施設内のトイレの混雑状況などを知らせる機能や自宅から当該施設へ車で訪れる場合の混雑していない経路の案内もできる機能も用意する。

 アプリとは別に訪日観光客が母国語を話すと自動で翻訳されるデジタルサイネージを採用したり、施設内を移動するカートなども導入したりして、家族客や訪日外国人、高齢者層など幅広い来店客の満足度を高める。同社は19年度に日本での設備投資全体は新規出店を抑えるため3割減らすが、デジタル投資や増床を含む既存店投資は同社としては高水準の400億円を維持する計画だ。

 三井不動産は商業施設「ららぽーと」などの店とスマホなどから注文できる通販サイト「&mall(アンドモール)」と連携した取り組みを強化する。店頭にあるデジタルサイネージ上に表示したQRコードを顧客がスマホで読み取ると、通販サイトに誘導する取り組みなどを広げる。3月に一部店舗で実験しており、効果を検証して導入する。

 同社の通販サイトの会員数は3月末時点で140万人。通販サイトで注文した商品を店頭で受け取るサービスも開始しており、「来店時についで買いの効果がある」(同社)と分析する。店と通販との相互送客で既存店の利便性をさらに高める。

 パルコは19年秋に自社クレジットカードの割引優待をアプリと統合したポイントに変更する。クレジットカードでの商品購入時にアプリ内でポイントを付与する仕組みにする。従来の制度よりも少額の購入から優待を受けられるようにする。ここ数年、既存店のテナント取扱高は前年実績を下回り続けており、来店すると特典もあるアプリを普及させて集客につなげる。

 日本ショッピングセンター(SC)協会(東京・文京)によると、テナントを誘致して売り場を構成し、賃料で稼ぐ商業施設の売上高は既存店ベースで横ばいが続く。19年に開業を予定している商業施設(店舗面積1500平方メートル以上で10店以上が入る施設)も42カ所と、00年に旧大規模小売店舗法が廃止されて以降最多の開業数となった07年の97カ所から比べると、57%減る見通しだ。

 商業施設はこれまでは消費者に人気の飲食店やアパレルといったテナントを誘致するビジネスモデルでよかった。ただ、以前のような積極出店が難しい環境では、他店と類似したテナントで構成するタイプの商業施設では競争力の発揮が難しい。商業施設もデジタル技術を駆使して他店と差異化したサービス提供を強化することで、集客力を積極的に高めていくことが求められている。

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