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リテールテックJAPAN 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 幕張メッセ
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消費増税まで2ヵ月、ポイント還元対応急ぐ、大手スーパー、自社負担でセール、カード会社、手数料上限に不満。

 10月の消費増税に合わせて始まるキャッシュレス決済のポイント還元策で、小売店や決済事業者などが対応を急いでいる。一部の決済事業者は中小企業の還元制度への登録を支援しているほか、制度に参加できない大手スーパーは自費で還元セールを検討している。企業の業務効率化や消費者の利便性を高める狙いがあるが、複雑な状況になっており、政策効果も不透明な部分がある。

 ポイント還元制度は消費増税後の個人消費の下支えとキャッシュレス推進を目的とした施策だ。具体的には決済事業者と、飲食店や小売店などの両方が登録している場合に、利用者がキャッシュレス事業者を通じて国から最大5%の還元を受けられる。登録できる飲食店や小売店は中小企業のみで、政府は7月末に登録業者を公表する。

 10月以降は消費税率が10%に引き上げられるが、この制度の下で買い物をすれば、少なくとも2%は還元されるので現在から負担増にはならない。

 スマホ決済業者のLINEペイ(東京・品川)や楽天は今回の制度がキャッシュレスの拡大につながると歓迎している。スマホ決済のメルペイ(東京・港)も加盟店の還元事業登録を支援する取り組みを始めている。

 制度の対象外となる大手企業からは不満が出ている。日本経済新聞社は、政府のポイント還元策の対象外となる主要スーパー24社にアンケートを実施。回答を得た15社のうち10社がポイント還元への対抗策を検討していると答えた。具体策としてキャッシュレス払い時に自社ポイントを上乗せすると回答した企業もあった。

 セブン―イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手3社はポイント還元策を全店で実施する。政府が還元分を負担するFC加盟店に加え、対象にならない直営店分は自社負担し、全店で一律2%のポイント還元をする。

 埼玉県などで食品スーパーを運営するヤオコーの川野幸夫会長は「制度が適用されない企業が黙っているわけにはいかない」と指摘する。大手スーパーの多くは、中小のスーパーやコンビニエンスストアに対抗して何らかの販促策を実施するとみられる。「これまでに経験したことのないようなポイント合戦や価格競争が起きる」(川野会長)とみている。

 店内飲食の消費税率が10%となる外食では「(軽減税率が適用される)コンビニや中食と2%差がつき、さらにポイント還元分を加えれば最大7%分の差が付く」(大手幹部)。吉野家HDは「吉野家」でキャッシュレス決済への還元を実施する方針だ。1200店の約9割が直営だが、還元額は自社で負担する。ドトール・日レスホールディングスは約1100店を展開する「ドトールコーヒー」でポイント還元に対応する。1割超を占める直営店の還元費用は自社で負担する。

 大手のスーパーや飲食店などが相次いで対応策を検討し始めており、中小小売店で還元制度に登録していない場合は、大きな逆風になる可能性がある。政府は周知徹底をして、なるべく多くの対象事業者に登録を呼びかけている。

 決済事業者の中では、クレジットカード会社が制度への不満をくすぶらせている。決済事業者として参加するには加盟店から受け取る手数料を上限3・25%にする必要があるためだ。ジェーシービー(JCB)など大手8社のうち4社は9カ月の制度終了後に再び上限を撤廃する見通し。手数料水準は再び引き上がる公算が大きい。

 カード各社は比較的信用力の低い零細店舗などに対し、高い手数料を要求している。将来に引き上げがあると考えると、中小店舗がキャッシュレスの導入に及び腰になる可能性もある。

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