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リテールテックJAPAN 2020 | 2020年3月3日(火)〜6日(金) 幕張メッセ
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在庫ロス解消へ知恵比べ、ワールド、新品最大7割安の店舗、ビームス、売れ残り商品リメーク。

 国内アパレルが余剰在庫の解消に向けた取り組みを進めている。ワールドは9月に共同出資会社を通じ、新業態を開いて新品の洋服を最大7割安で提供する。ビームス(東京・渋谷)は、在庫品を分解して新しい服にリメークするブランドを立ち上げた。「大量生産・消費」時代が終わりを迎えるなか、新たな対策で課題の解決につなげる。

 「アパレル産業全体のロスを減らしたい」。1日に開いた記者会見でワールドの上山健二社長はこう強調した。現在は売れ残りを値下げやアウトレットで処理しているが、在庫問題の解決には一段の工夫が必要となる。そこで、大手コンサルティング会社のゴードン・ブラザーズ・ジャパン(同・千代田)と連携することを決めた。

 両社は折半出資会社「アンドブリッジ」(同・港)を通じ、9月に新品を低価格で販売する「オフプライスストア」をさいたま市に出す。ゴードンの商品調達力などを生かし、約1千平方メートルにワールドを含む約60ブランドの洋服や雑貨をそろえる。

 定価より5〜7割安で販売し、年3億円の売上高を見込む。ゴードンの田中健二社長は「旬な新品の衣料品を手ごろな価格で販売する」と述べ、新たな販路の構築を目指す。

 「オフプライスストア」業態はアウトレットと比べ、1店舗で様々なブランドの新品を低価格で購入できるのが特徴。米国で拡大するが、国内では一部にとどまる。中古品リユース最大手のゲオホールディングスは4月に「ラック・ラック クリアランス マーケット」を横浜市に開業。新品の服を定価の3〜8割引きで販売している。

 売れ残った商品を巡ってはアウトレットで販売するほか、在庫処理会社に頼る事例が増える一方、廃棄される商品に価値を加える動きも出る。

 ビームスは2017年に在庫品を分解し、手作りで新しい服にリメークするブランド「ビームス クチュール」を設立した。一品ごとに生地が異なり、全ての商品が一点物だ。複数のブランドを組み合わせた品物もあり、完売する商品も多い。

 もっとも、在庫問題を解決するには需要を超える供給をなくす必要もある。「ZARA」を展開する衣料品世界最大手インディテックス(スペイン)は当初は3週間程度分の商品しか作らず、顧客の反応を見ながら改良した製品を毎週2回ほど生産する。ストライプインターナショナル(岡山市)は20年1月期の商品の仕入れ高を前期実績の約2割にあたる350億円分を削減する方針。

 消費者のニーズは多様化し、購入形態も複雑化する。無駄を極力減らし、IT(情報技術)などを生かして利益の出る事業モデルを構築できるかどうか。生き残りに向けた知恵比べが続きそうだ。(原欣宏、堺峻平)

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