日経メッセ > リテールテックJAPAN > ニュース > 異分野の商品並べ販売、クロスMD、需要深掘り――POSデータ、メーカーと共有。

日経の紙面から

異分野の商品並べ販売、クロスMD、需要深掘り――POSデータ、メーカーと共有。

[ 2012年2月1日 / 日経MJ(流通新聞) ]

カン頼み脱却、精度向上

 店頭で分野の異なる商品を並べて販売するクロスマーチャンダイジング(MD)が広がっている。食品スーパーなどがメーカーとPOS(販売時点情報管理)データを分析して、より効果的な売り場作りを打ち出しているほか、雑誌と食品など新たな商品の組み合わせも増えた。消費者の節約志向が根強く残るなか、買い上げ点数の増加につながるクロスMDの活用が進みそうだ。

 セリ、ナズナなど7種の野菜を入れたかゆを食べて1年の無病息災を願う「七草がゆ」。1月初旬、ライフコーポレーションは加工食品売り場で、レトルトのおかゆ商品にごま油など、調理油を組み合わせた「中華風のおかゆ」のレシピを提案した。

 例年にない売り場づくりは取引先の日清オイリオからの提案がきっかけだ。ライフは2007年からPOSデータを食品メーカーなど取引先に公開。クロスMDの提案を受けやすい体制づくりを心がけている。今回は日清オイリオが調理油のPOSデータなどを分析したところ、ごま油とレトルトのおかゆ商品を一緒に購入している顧客がいることに着目して提案した。

 「中華風のおかゆに商機がある」とみて、七草がゆに合わせた販促は成功。売り場の関連商品の販売量は前年比2倍以上に伸びたという。

 「メーカーへデータを開示することで、クロスMDの展開につながる売り場が増えた。隠された需要に気づかされることも多い」とライフのバイヤーは話す。現在は加工食品の売り場で、ソーセージと一緒に、飾り切り用の調理器具やキャラクター付きのようじを訴求。親子で調理を楽しめるような場面が、過去のPOSデータから浮かび上がったためだが、こうした食品とそれ以外の分野のクロスMDも多くなってきているという。

 生協大手のコープさっぽろ(札幌市)も一昨年から、個人ごとの購買履歴を把握する「顧客ID付きPOS(ID―POS)」を公表して、メーカーとの売り場作りを進めている。

 最近、手がけた取り組みではスープ。ID―POSデータからネスレ日本の「マギー 化学調味料無添加コンソメ」とプライベートブランド(PB=自主企画)のウインナーを同時に購入する顧客が増えていることに気づき、売り場でクロスMDを実施。同時に多くの来店客が利用する店内の割引クーポン発券機のモニターに両製品を表示して認知度を高めたところ、両製品の売上高は前年比26%増えたという。「自社だけではなく食品メーカーと共同で実施することで効率的な売り場作りが可能になる」(コープさっぽろ)

 これまでは「この商品の組み合わせが売れるんじゃないか」という小売りの推測に基づき、売り場を構築することの多かったクロスMD。だが小売りがPOSデータを開示、メーカーと一緒に分析することにより、売り上げに結びつきやすい、より精度の高いクロスMDが可能となる。

 特にメーカーは自社製品の棚の確保のためにも、分析・提案力を磨こうとする。ハウス食品は小売りに提供してもらったPOSデータを独自に分析し直す自社システム「カテナビ」を活用。スーパーに自社のシチューのルーとワイン、生鮮食品などクロスMDを含めた提案を増やしている。

ニュースの最新記事

PAGE TOP