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ダイエー赤羽店、シニア対応――少量食品や介護用品充実(売る技術光る戦略)

[ 2012年4月4日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ダイエーが3月1日に開業した「ダイエー赤羽店」(東京・北)。幅広い客層に対応しつつ、50歳以上と定義する「シニア」を特に重視し、店作りにさまざまな工夫を盛り込んだ。店頭販促(POP)の文字を大きくし、買い回りに配慮し通路を広げた。開業後の売り上げはほぼ計画通りと順調だ。ただ、品ぞろえには来店者の注文もあり、試行錯誤が続く。

 「想定以上にシニア客が多い。店作りのコンセプトは間違っていなかった」。開業から1カ月、岡沢譲治店長は一定の手応えを感じている。

 もともとあった「ダイエー赤羽店」を2010年7月に閉店。新たに建て直した。同店のみの本館(約6700平方メートル)とマンション1階に入居する形の別館(約700平方メートル)の2棟で構成。介護関連や調剤薬局、自転車の売り場などを別館に配した。

 シニア層への対応を重視する背景には、商圏の年齢構成がある。約12万人(約5万8千世帯)という近隣の居住者のうち、50歳以上が43%。シニアに多い1〜2人世帯も72%を占める。国内で少子高齢化が進む中で同店をモデルと位置付け、様々なシニア対応の試みを実践した。

 食品では、少量品の品ぞろえを徹底した。魚売り場で1人前の刺し身(198円、258円)を充実し、総菜でも小分けのものを増やした。調味料売り場では、通常は棚の最上段に置く小瓶タイプのしょうゆなどを充実し、年配者でも手に取りやすい目線くらいの高さに並べた。「減塩」商品コーナーも作った。

 衣料品や生活用品は品ぞろえで大胆にシニア向けに踏み込んだ。カジュアル衣料売り場は50歳以上向けの商品を全体の6割と通常の3倍。スポーツ用品売り場でも全体の6割をシニア層の関心が高いウオーキング関連商品が占めている。

 「衣料品の場合、若い人は池袋や新宿で買い物する場合が多く、食品などより思い切ってシニアにシフトできる」(岡沢店長)。気温が例年より低かった影響で出足は苦戦するが、「気温が上がればいける」(同)と期待する。

 生活用品では大人用おむつや、つえなど介護関連を既存店の3倍の約320品目扱う。同分野の売り上げは計画比1・3倍と好調だ。

 店内は通路の幅を広げ、カートを軽いアルミ製に変えるなど買い物しやすい環境を整えた。エスカレーターは速度を既存店の約7割に落とした。食品売り場を中心に陳列棚の高さを下げて店内を見渡しやすくしたほか、POPの文字を大きくした。値札の数字は最大4倍とし、シニア客の評判は良いという。

 ただ、品ぞろえでは来店客からの要望を受けて開店後に変更したケースも相次いでいる。納豆はひき割りや通常の3個パックより少ない1、2個の商品を増やした。大人用おむつなども「他の日用品と同じ売り場だと買いづらい」との意見があり、生理用品のコーナーに移した。

 「シニアの方の立場でないと分からないことも多い」と岡沢店長。一方で、若い世代の客も逃さないようバランスをとることも今後の課題だ。

(小泉裕之)

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