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セブン&アイ、地域限定商品を5割に、効率追求型から転換。

[ 2015年1月6日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 セブン&アイ・ホールディングスは傘下のコンビニエンスストアやスーパーなどで、店舗のある地域の嗜好を反映した地域限定商品の比率を高める。全国に商品調達や開発の担当者を配置し、2017年度までに地域限定商品の比率を現在の1割から5割にまで引き上げる。画一的な品ぞろえで効率を追求する商品戦略を転換し、味や機能などで消費者ニーズにきめ細かく対応する。

 セブン―イレブン・ジャパンはこのほど、新たに全国を9地区に分け地区ごとに商品開発の責任者を配置した。それぞれの地域で売れそうな商品を企画し、メーカーなどに働きかけて商品化を進める。これまでは東京にある本部に人員を多く配置し、本部で開発した商品を全国共通で展開するケースが多かった。

 イトーヨーカ堂も商品本部が確保した全国共通の商品が全体の9割近くを占めている。7日からは店舗のある地域を13地区に再編し、セブンと同様に地区ごとに商品開発の責任者を置く体制に変更する。本部は共通商品を仕入れるほか、地区や店舗から上がってくる商品開発の要望を聞き取り実際に商品を確保する役割となる。

 イトーヨーカ堂の大型店では約8万〜10万品目を取り扱っており、最大4万品目が切り替わる見通しだ。セブンイレブンは約3000品目が店頭にあり、1500品目を地域限定商品にする。

 多店舗展開する小売企業は、これまでは本部が一括で調達した商品を大量に販売することで仕入れ値を下げて収益を確保してきた。しかし増税後の消費低迷で、消費者の選別の目は厳しくなっている。地域によって消費者の購買力にもばらつきがみられ、本部主導の品ぞろえでは消費者ニーズをとらえきれなくなっているとの判断がある。

 昨年からは、関西で実験的に地域の嗜好をとらえた商品開発を始めた。既にセブンイレブンでは約230ある弁当や総菜の7割を地区限定商品に切り替えた。地元の有名料亭などを参考にして関西のだしで作っただし巻き玉子を出したところ、全国でも突出して販売が伸びたという。

 独自商品だけでなく既存のNB(ナショナルブランド)でもメーカーと組み、地域性を反映した限定商品を投入した。消費者の慣れ親しんだNBブランドでも地域仕様をそろえる。

 12月中旬からはサントリー酒類(1月からサントリースピリッツ)の低アルコール飲料「ほろよい」シリーズで、関西で人気の飲み物「オーレ」を再現した「ほろよい いちごオーレサワー」をセブンイレブンとヨーカ堂で発売した。カップ焼きそばでもエースコックから、大阪の老舗ソースメーカーのソースを使用した「『大黒屋 大阪の味』甘辛ソース焼そば」を商品化した。

 ヨーカ堂では生鮮食品や店内調理品でも地域限定商品を増やす。埼玉県にあるショッピングセンター(SC)の「アリオ上尾店」では、地元で豚のモツを好む食文化があるため種類を拡充し売り場を広げた。

 今後は衣料品や日用品を含めたあらゆる分野で地域の嗜好を考慮した商品開発を進める。例えば衣料品では、雪国の北海道ならば運転のしやすいハーフサイズのコートが好まれる傾向が強く、ハーフサイズのコートの商品数を北海道限定で現状の1割から5割まで増やす。

【表】セブン&アイは各地の店舗で〓地域限定商品を増やしている  

北海道 ヨーカ堂は気温が低い地域で年間を通して売り上げが好調なタオルケットの種類を拡充する
東 北 福島県のヨーカ堂では、NBの納豆よりも地元のメーカーの納豆が売り場の大半を占める
関 東 埼玉県上尾市のアリオでは地元で人気の豚モツの種類を大幅に拡充
関 西 ヨーカ堂の婦人服では関西の女性に人気の腰回りが緩めの服や、特徴的な絵柄の入った衣料品を展開

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