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宝飾品販売のサダマツ、中国人客取り込み作戦、SNSで情報発信、スマホ決済。

[ 2015年7月17日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 宝飾品販売のサダマツが中国人向けに新しい取り組みを始めている。中国のSNS(交流サイト)や旅行会社と組んで訪日客向けに情報発信や集客策を始めているほか、店頭では訪日客に向けてスマートフォン(スマホ)を使った決済サービスを導入。買い物しやすさを強調して売り上げ増を狙う。

 4月にオープンした「ドゥミエール ビジュソフィア イオンモール沖縄ライカム店」(沖縄県北中城村)。ここで中国で数億人が利用するというスマートフォン(スマホ)を使った決済サービスを7月に導入するという。

 来店客は店頭でアプリを立ち上げ、バーコードをiPad(アイパッド)にかざすと、口座から自動的に料金が引き落とされる仕組みだ。中国で一般的な買い物スタイルを日本の店に導入することで、訪日客を呼び込む考えだ。

 購入履歴などが店舗に残るため、今後は顧客に合わせた情報を発信するなどして、顧客の囲い込みにもつなげていきたい考えだ。

 サービス導入に向け、1月には中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)系で日本向けEC(電子商取引)運営のウィ・ジャパン(東京・中央)と連携。来日を考えている中国人向けに商品情報などを配信してきた。テンセントのネット旅行サービス「シートリップ」を使って訪日する中国人には、日本の店舗で使える割引きクーポンも配信している。

 中国を中心に約7億人が利用するSNS「ウィーチャット」や中国版ツイッターの「ウェイボ」を通じて商品情報などの発信も始めた。中国で人気の日本人俳優、古川雄輝さんを起用。来日して店を訪れるとプレゼントがもらえるキャンペーンなどで知名度を高めている。「来日前に作るお土産リストに載るため、中国に向けた情報発信が必要」(貞松隆弥社長)と強調する。

 2014年に日本を訪れた中国人は約240万人。旅行支出は1人当たり約23万円で他国と比べても高い。その恩恵で国内では宝飾品などの高額品が好調だが、真珠のミキモトなど中国で知名度が高いブランドに人気が偏っていた。

 一連の取り組みは成果が出ている。百貨店の店舗を中心に外国人客が増え、5月の外国人売上高は前年同月比で約4倍。都心の店では売上高の約2割を外国人が占める。スマホ決済サービスの導入でさらなる集客が期待できる。

 サダマツが狙うのは訪日客だけではない。中国向けのネット通販も始めた。ウィーチャットで日本の商品を扱う通販サイト「微購物日本館」では、主力の星形のダイヤモンドを使ったネックレスなど自社商品を発売した。今後は10万円以上の商品などを充実させる。

 国内の宝飾品市場は2014年が9726億円。90年代初めの3分の1以下に縮小したが、ここ数年は訪日客の増加などで回復しており、19年には1兆円を超えるとの予想もある。サダマツによればダイヤモンドの国別購入額は中国が約5年前に比べて5ポイント高い15%。90年代には珍しかった婚約指輪も今はカップルの約3割が購入している。

 サダマツは中国の富裕層を日本でも中国国内でも垣根なく取り込む戦略で活路を開こうとしている。(水口二季)

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