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「パリミキ」の三城、業績悪化で背水、お城型店、大リストラ、都市部で若者獲得に力。

[ 2017年6月11日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 「パリミキ」や「メガネの三城」を展開する三城ホールディングス(HD)が苦しんでいる。かつて1000店を超える店舗を運営し眼鏡業界をけん引したが、低価格品やインターネット通販の台頭で業績が悪化。顧客が高齢化し、若い世代の獲得も進んでいない。今後5年で象徴だった「お城型」の郊外店など100店を閉め、都市部出店で立て直しを図る。

 「三城は終わった眼鏡店、過去の眼鏡店というイメージがある」。多根幹雄副社長は5月、2017年3月期の決算会見で厳しい表情を見せた。売上高は前の期比7%減の498億円と3期連続の減収。最終損益は17億円の赤字(前の期は6億円の赤字)だった。

 「眼鏡は買うけれど、パリミキはよくわからない」。パリミキの上野マルイ店(東京・台東)を通り掛かった20代女性は話す。かつてはテレビCMなどの効果で「眼鏡店で想起する店は『パリミキ』が上位だった」(同社)が、今では若い世代を中心に認知度は下がり、格安眼鏡店に顧客を奪われている。

 足を引っ張るのは郊外店だ。396店のうち3割に当たる120店が赤字。地方では増加する大型ショッピングモールに消費者は流れ、眼鏡を買うためだけに路面店を訪れてはくれない。

 郊外店は改装効果も薄い。16年度の既存店売上高は前年度比5・7%減少した。家族で来店しやすいよう「サロン」風の内装に改装したが厳しい結果となった。「城」のような外観は老朽化も進み、古いイメージを脱却しきれていない。

 事業子会社である三城の沢田将広社長は「郊外店の改革が急務。店舗を統廃合して人的な効率化を図る」と説明する。郊外店を今後5年で100店舗閉める方針だ。

 一方、1日の乗降客が5万人を超える駅近くの商業施設など、周辺人口が多い場所に年20店のペースで新規出店する。三城HDの東京都でのシェアは3%未満と低い。都市部への人口集中に対応した種まきを続ける。

 若者の集客を目的に新業態も出す。サングラスなどを取り扱う「サーカス」を昨年、東京・下北沢に初出店した。トレンドを意識した商品を並べつつ、気軽に来店できる雰囲気を作る。すでに福岡市などに5店舗を構え、5年後には50店舗にする計画を掲げる。

 テレビCMも西日本を中心に約10年ぶりに本格再開する。「パリミキをロマンチックに表現したい」(沢田社長)とイメージ刷新を狙う。交流サイト(SNS)での販促活動も充実させる。

 創業から87年。同社は積み上げてきた技術力や安心感は自負する。「老舗ならではの高級感や信頼は根強い」(60代男性)との声が聞かれるのも事実。背水の陣で立て直しに臨む。(沖永翔也)

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