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16年度日本の卸売業調査(第46回)――繊維、百貨店向け苦戦目立つ、上位20社中17社が減収。

[ 2017年8月2日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 繊維卸の2016年度の売上高の合計は3兆1159億円と、前年度に比べて6・0%減った。減少は2年連続で、マイナス幅は5ポイント拡大した。「その他」も含む全14業種のうち、「時計・貴金属」(6・7%減)に次いで大きく落ち込んだ。消費者の低価格志向は根強く、百貨店を主な販路とするアパレル大手は軒並み苦戦している。

 1位から20位のうち、3社を除いて減収となった。15年に英バーバリーのライセンス契約が切れてから不振が続く三陽商会は30・6%の大幅な減収。昨年の11位から14位に転落した。同社はバーバリー抜きでの成長戦略が明確に打ち出せていない。17年12月期の売上高予想は630億円とさらに6・8%減る見通し。

 デフレが長期化し、消費者の低価格志向や百貨店離れは深刻だ。ファーストリテイリングの「ユニクロ」や「しまむら」など低価格の衣料を販売する企業が売上高を増やす一方で、中高価格帯の商品を展開する大手アパレルは総じて不調だ。

 1位から10位は昨年から変動なし。2位のオンワードホールディングスは7・1%の減収。主力ブランドの「組曲」の売り上げは前年に比べ7%減った。「23区」「ICB」「自由区」と合わせた基幹ブランド全体では同1%減だった。今期の売り上げ予想は前年比2・3%減と苦戦が続く。

 売上高が伸ばしづらい中、各社は不採算ブランドの廃止や人件費の削減などの構造改革で利益を確保する。5位のTSIホールディングスの営業利益は前年の2・4倍に増えた。今期予想でも売上高は横ばいだが、営業利益は前年比26%増の32億円を見込む。インターネット通販の拡大で利益率が改善するという。

 国内の人口が減少の一途をたどるなか、大手アパレルが売り上げを維持するには、ユニクロや物品売買を仲介する「メルカリ」などに流れた若者に照準を合わせることが求められる。ネットで買い物をする若者が増えていることを受け、オンワードは今春、動画配信サイト運営のC Channel(Cチャンネル、東京・港)と組んでネット通販専用ブランド「トゥー・フェイシーズ」を立ち上げた。レナウンも若者向け低価格ブランドを来年立ち上げる予定。

 世界で見れば人口は増えており、繊維や衣料品の需要も拡大が見込まれる。ネット通販に加えて海外展開するなど各社は成長を模索するが、売り上げに占める割合はまだ低い。百貨店との関係を優先し、こうした改革が遅れた面も否めない。低価格の衣料を展開するユニクロなどが品質を急速に上げており、大手アパレルは独自色を出せなければ苦戦が続く。

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