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アリババ、スマホ決済上陸、中国発、使いやすさ強み、日本人向け、5万店で。

[ 2017年8月16日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 中国ネット通販最大手のアリババ集団(浙江省)は来春にも、日本でスマートフォン(スマホ)を使った電子決済サービス(3面きょうのことば)を始める。入金したスマホのアプリで買い物ができるようにする。中国で提供する「支付宝(アリペイ)」と同じ仕組みを日本人向けに展開、3年内に1千万人の利用を目指す。日本のスマホ決済市場の起爆剤になる可能性がある。

 中国はスマホによる決済が世界で最も普及しており、アリペイと騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」が市場を二分している。このうち、日本で訪日観光客向けに対応する店舗網を広げるアリババが先にサービスを始める。現金決済が主流の日本市場は成長余地が大きいと判断した。華為技術(ファーウェイ)など製造業に続いて、中国のIT(情報技術)サービスも日本市場を目指し始めた。

 新サービスはアリババ傘下の金融会社アントフィナンシャルジャパン(東京・千代田)経由で提供する。店が発行したり、消費者のスマホアプリが表示したりするQRコードを使って決済する。コードには金額などの支払い情報が書き込まれている。

 アリペイは中国の銀行口座を持つ人しか利用できない。日本では国内銀行の口座を持つ人向けに別のブランド名でサービスを提供する。サービス開始以降、早期に日本向けのサービス利用者が中国でも利用できるようにする。年間約250万人いる日本からの出張者や旅行者の利便性が高まる。

 新サービスはローソンや家電量販店、百貨店など既存のアリペイ対応店舗を中心に利用できるようにする。訪日中国人客の急増を機に整備されたアリペイ対応店舗網を生かす。2017年末には対応店舗を現在の約3万店から約5万店に増やす方針。決済以外に生活関連の機能も順次追加し付加価値を高める。シネマコンプレックス(複合映画館)と提携し映画のチケットの予約・購入ができるようにする。

 中国の調査会社によると、スマホなどのモバイル端末を使った中国の決済市場は17年に15兆元(約250兆円)規模になる見込み。一方、野村総合研究所の調べでは日本国内の17年の電子マネーによる決済市場は5兆6千億円にとどまり、成長余地が大きい。

 中国企業が海外展開する際には、個人情報の保護が課題となりそうだ。中国の消費者の間では決済履歴などの個人情報が企業から市民への監視を強める当局に流れているとの懸念が強い。

 スマホ決済サービスは米国で誕生し、世界最大の人口を抱える中国で使われた結果、使いやすさや導入コストの安さなどが進化した。今度は中国の外で使われることで、スマホ決済がどう変わるかに注目が集まる。

 ▼支付宝(アリペイ) 中国のネット通販最大手アリババ集団が2004年から提供する電子決済サービス。中国で5億人が利用している。店舗側は専用端末やスマートフォン(スマホ)などのソフトを使い、消費者とQRコードを通じ代金を決済する。店舗の導入コストは数百〜数千円で済み参入障壁が低い。利用者の99%が中国人で、アリババは中国人以外の利用を促す方針だ。

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