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16年度百貨店調査――今年度の免税売上高「増加」48%、リピーター獲得課題。

[ 2017年8月16日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 訪日客と富裕層の消費動向が百貨店の業績を左右するようになっている。16年度は訪日客向けの免税売上高が「爆買い」の一服や単価の低い日用品へのシフトで失速し、株価の低迷が富裕層の高額品の購入意欲に水を差した。右肩上がりの訪日客の増加が続くなか、16年末からは株価も回復基調。17年度については訪日客、富裕層ともに消費は堅調とみる百貨店が多い。

 16年度の免税売上高が15年度より「増加」した百貨店は33・8%、「減少」は27・3%だった。「増加」が73・4%に達した前回の15年度調査と状況は一変した。14年10月の免税対象商品拡大による押し上げ効果が一巡する一方、高額品が中心だった売れ筋が化粧品など単価の低い日用品にシフトしたことも響いた。

 三越伊勢丹ホールディングスは16年1月、三越銀座店(東京・中央)に「ティファニー」「グッチ」といった高級ブランドや日本の伝統工芸品を扱う空港型免税店を開いた。インバウンドの変調で初年度の販売は目標に届かなかったとみられる。東京都心や大阪市など訪日客の多い都市部では免税売上高が落ち込んだ百貨店が少なくない。

 中国など新興国の経済成長の鈍化を受け、16年度は株価が低迷。富裕層の消費もブレーキがかかった。美術品・宝飾品・腕時計など高額品の16年度の売上高は35・1%が15年度より「減少」と回答。「増加」は5・2%にとどまった。

 訪日客1人当たりの消費額は下がったものの、総数の増加でインバウンド消費は16年末から回復基調にある。17年度の免税売上高は48・1%が「増加」を見込み、「減少」の3・9%を大きく上回る。政府は20年に年間4000万人の訪日客誘致を目標に掲げる。国内の人口減少が続くなか、訪日客のリピーター獲得が百貨店各社にとっては今後の大きな課題となる。

 16年末からの株価上昇とともに富裕層の消費意欲も回復し、高額品の販売も持ち直している。ただ、中間層の動きは鈍く、衣料品販売は低迷が続く。業界全般の先行きについては慎重な見方が根強い。

調査の方法

 全国の百貨店84社を対象に、6月下旬から7月下旬にかけて質問紙を郵送して実施。78社から回答を得た。回収率は92・9%。このうち2016年度(16年4月から17年3月までに迎えた決算期)の店舗ごとの売上高の回答を得た76社の計204店舗を集計した。企業ごとの経営戦略などに関するアンケートには77社から回答を得た。

 この調査は井上みなみ、川上尚志、中山修志が分析・執筆し、調査・集計は日経リサーチが担当しました。

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