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セレクトショップ(5)ネット通販の活用策必要(よくわかる)終

[ 2017年8月28日 / 日経産業新聞 ]

 インターネット通販の発展は、セレクトショップが持つ商品仕入れの優位性を崩している。世界中にある商品を、消費者がどこでも簡単に購入できるためだ。一方で、セレクト店各社もネット通販による売り上げを伸ばしている。成長を続けるネット通販と、実店舗がどう向き合っていくかが問われている。

 夏セール MAX90%OFF――。目を引く広告だが、街を歩いていて見つけたわけではない。スタートトゥデイが運営する衣料品通販サイト「ゾゾタウン」のトップ画面だ。さらに新規登録で1000円割引とある。

 ゾゾタウンには5800以上のブランドが出店する。スマートフォンの普及で店舗に行かなくても消費者が欲しい商品をいつでもどこでも購入できるようになった。セレクト店の「目利き力」や「提案力」をネット通販が担い出したのだ。

 ユナイテッドアローズ(UA)やビームス(東京・新宿)は、ゾゾタウンの黎明(れいめい)期から出店。いずれも2005年から展開を本格化した。「ファッション感度の高い人向けにサービスが整っていたため」(UA)だが、実際には既存店の売り上げが伸び悩む一因になった。17年3月期の既存店売上高は前の期比2・2%減だった。

 一方で、ネットの売り上げが大きく伸長しているのも事実だ。UAもネット通販に限れば、17年3月期の売上高は前の期比で23・6%増の202億円で、売上高全体の16%を占める。「かつて実店舗からネットに送客する策を打ってきた。今後は、実店舗へのフィードバックを目的に分析する」(UA)

 セレクト店各社は、ゾゾタウンなどの他社モールに頼らない自社通販サイトの運営強化も進める。出店費用を支払わずに済むうえ、顧客の購買情報を把握しやすくなり、今後の事業戦略に生かすことができるためだ。

 UAは4月に自社ブランド紹介サイトと通販サイトを統合。ベイクルーズ(東京・渋谷)は飲食業との連携が図れる新アプリを開発中だ。

 TOKYO BASEは、「ステュディオス」の店舗で扱う主力ブランド「ファクトタム」などのネット通販の運営代行を始めた。ブランドの商品を仕入れてゾゾタウンなどに出品。同社はネット通販比率が3割を超えており、ブランドと「二人三脚」で成長を目指す。

 「試着しないと分からない」と言われていた衣料品販売の常識は変わった。経済産業省によると、16年の衣類・服飾雑貨などの国内ネット通販市場は15年比11%増の1兆5000億円となった。ネット通販をうまく活用する策が求められている。(この項おわり)

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