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ドンキホーテホールディングス――大原孝治社長、再生6店舗、居抜きもテナントも(注目企業ここが知りたい)

[ 2017年8月27日 / 日経ヴェリタス ]

 ――ユニーファミマとの提携の理由についてお聞かせください。

 「ユニーファミマさんは時代に合わせた新しい流通を作りたいという面で、同じ志を持った企業だ。2社を合わせるとレジの通過回数は年間65億回、売上高は約4兆5000億円ある。巨大な経営資源を持った一大グループを形成する中、我々のノウハウでユニーさんの業績改善ができるなら、どんどんしていただこうとも思った」

 ――ユニーでまず再生する6店舗はやはり地盤の東海地域ですか。

 「従業員にもまだ話していないため、社内で合意を取りながら決めていく。閉店した店舗を居抜き出店する形と、ユニーの不採算店舗にドンキがテナントとして入る形がある」

 ――前期で28期連続の増収増益となりました。ポイントはどこにあったと考えていますか。

 「2つある。1つは新宿店(東京・新宿)の成功だ。1997年に開店した初めての都心大型店で、それまでの郊外だけではなく都心も商圏にできた。もう1つは2007年の長崎屋の買収だ。MEGAドンキ中心の業態に変え、若者からファミリーに客層を広げられた」

 「長崎屋は買収当時の営業損益が50億円の赤字。同じ経営資源をベースにすると、前期は78億円の黒字だ。ここで得た生鮮食品の販売などのノウハウが今のMEGAドンキの経営に生き、我々が『ポストGMS』として名乗りを上げる地位までのぼり詰められた」

 ――売上高の今期見通しは前期比6%増の8800億円です。15年に中期経営計画で掲げた20年6月期の1兆円も視野に入ってきました。

 「今の伸び率で行けば達成できそうだ。とすると次に狙うのは2兆円。どうすれば良いか日々考えている」

 ――出店拡大以外の方策はありますか。

 「大きなカギになるのがデジタル戦略だ。ここはファミマさんとも提携して進めていく。スマートフォン(スマホ)の普及がきっかけとなり、今の消費者はスマホとリアルの世界を1日に何度も行き来するようになった」

 「流通業界では米アマゾンが席巻している。我々も他人事ではない。だが我々には店がある。ライブ感、お祭り感ではアマゾンに絶対に勝てる。実店舗でスマホをもっと活用した施策を打ち出し、来店客数増につなげたい」

 ――具体的には。

 「1つの例としては『デジタルレーン』を考えている。画像認識でカゴの商品を瞬時に読み取り、スマホで簡単に決済できるようにする。これならレジに並ぶ手間も省ける」

 「構想を練る中で、スマホで資金の出し入れが簡単にできるよう、銀行業の新規参入なども視野に入れる。自前でてがける電子マネー『マジカ』も、会員数が前期末で500万人を突破した。こうしたデータもフルに活用し、新たなIT(情報技術)プラットホームを構築したい」

 ――近年はプライベートブランド(PB)も伸ばしています。前期実績は売上高の1割にのぼります。

 「最近では50型の4Kテレビを市場平均の半値以下となる税抜き5万4800円で販売し、ヒットした。ただPBを幅広く展開していこうとは考えていない。あくまで『顧客は欲しいがメーカーにない』商品を作る。アパレルならカジュアル衣料に絞る。今は手がベタつかないポテトチップスを開発中だ」

 ――少子高齢化が進む中、高齢層への対応はどう考えていますか。

 「MEGAドンキで家族連れを取り込んでおり、今でも祖父母、両親、子どもの3世代で来店する顧客が増えている。大事なのは今の顧客が"卒業"しないでいてもらうとともに、若年層の"入学者"も増やすことだ」

 「20年前と違い、今は男性より女性、先輩より後輩が流行の火付け役だ。人は年をとると若さに憧れるようになる。店舗は常に流行を追いかけ、ドンキに慣れている方が、シニアになっても訪れたくなる店にしたい」

 ――安田隆夫会長(15年に創業会長兼最高顧問に就任)との関係は。

 「今でもほぼ毎日電話やメールで連絡を取り合う。私に課せられたのは『安田イズム』の承継。私も常に次のバトンをいかに託すか考えている」

おおはら・こうじ 1993年ドン・キホーテ(現ドンキHD)入社。府中店の売り場担当者や新店立ち上げの店長などを経て、95年取締役第二営業本部長。関連会社の社長などを歴任し、2013年から副社長兼最高執行責任者(COO)。14年社長、15年から最高経営責任者(CEO)も兼務。夫人と2男1女。趣味はゴルフ。座右の銘は「堅守速攻」。東京都出身。54歳。

■ドンキホーテホールディングス 1980年創業。前身は78年に安田隆夫氏が東京都杉並区に開店した雑貨店「泥棒市場」。89年、東京都府中市に「ドン・キホーテ」の1号店を開く。96年株式公開、2000年東証1部昇格。13年に持ち株会社化。傘下に不動産を手掛ける上場子会社2社も持つ。

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