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人手不足が生む物流新潮流――ICタグ、ヤマト、運転手待ち時間短縮の切り札、ライオンと実験、商品の流れを自動で把握。

[ 2017年8月27日 / 日経ヴェリタス ]

 商品情報を登録したICタグを使う試みも広がる。人手を介さず、商品がどう流れているのか自動で把握できるようになれば、限られた人員をもっと有効活用できるようになる。

 ヤマトホールディングス(9064)は7月からライオン(4912)と新たに実験を始めた。

 企業向け物流で使う「台」に商品情報をあらかじめ登録したICタグを取り付け、納入先の倉庫で携帯端末で読み取る。目視で確認する時間が減り、トラック運転手の待機時間を2割減らせる可能性があるという。

 コンビニ大手では経済産業省と連携し、長期の視点で取り組む実験が始まっている。セブン&アイ・ホールディングス(3382)、ローソン(2651)など5社は、2025年までに各商品に推定年間1000億個の全商品にICタグを取り付け、在庫管理や配送効率化につなげる方針だ。

 かねてICタグの価格が問題になっていたが、1個1円以下となれば道が開ける。セブン―イレブン・ジャパンでは8月末にも、商品を運ぶカゴごとにICタグを取り付ける実験に着手する。カゴの荷受け作業が自動化できれば、店側の負担になっている受け入れ作業の時間を短くできる。

 セブン―イレブンは、店から店へ配送する物流の起点となる配送センターの見直しにも、常に目を光らせている。狙いは物流センターの小規模化と分散化だ。他の業界とは少し発想が異なる。

 大型施設は賃料が高くなりがちで、スタッフも要る。トラックが集中すると荷を積む待ち時間が長くなり、効率が悪い。コンビニにとっては、小さな倉庫をエリアごとに借りた方がコストがかからないとみて、常に優良物件を探している。「物流コストが低くなれば、商品に手をかけられる。だからおにぎりを競合よりおいしくできる」と原島宏之グループ物流改革プロジェクトリーダーは話す。

 小売りを中心に、内需企業はこれまで人手不足に伴う人件費の上昇懸念が株価を抑える要因になってきた。ただ多くの企業にとっての泣きどころを「宝の山」に変えることができるかどうかは、企業の取り組み次第だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「物流コスト上昇に対応できるという企業という認識が広がれば、再評価のきっかけになる」と指摘する。

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