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第1回「デジタルマーケティング100」、デジタルメディア使い販促、無印・マック、巧みに誘う(日経BP専門誌から)

[ 2017年9月5日 / 日経産業新聞 ]

日経デジタルマーケティング
インスタ・公式アプリ威力

 デジタルメディア上でのブランド接触体験がきっかけで、商品やサービスの購入に至るネットユーザーが最も多いブランドは無印良品――。日経デジタルマーケティングは4月、どの企業・ブランドがデジタルメディアを効果的に売り上げに結びつけているかを、消費者アンケートから探り、その調査結果を第1回「デジタルマーケティング100」にまとめた。

 ランキング作成に当たっては、BtoCの主要業界から代表的な企業・ブランドを計100社ノミネート(ネット専業企業などは除く)。さまざまなデジタルメディアを介して企業・ブランドの情報に接触した消費者が、商品購入(サービス利用)に至ったかを把握するアンケートを実施し「消費行動スコア」を算出した。アンケートは大手リサーチ会社に委託し、4月20〜21日にインターネットで実施。有効回答は4120人だった。

 消費行動スコア71・7で首位に立ったのは、良品計画の生活総合ブランド「無印良品」だ。写真・動画に特化したSNSのインスタグラムと、スマホ向けアプリ「MUJI passport」の活用が売り上げ増加に貢献した。

ツイッターを抜く

 良品計画はこれまでも、ソーシャルメディアを積極的に活用してきた企業だ。フェイスブック、ツイッター、LINEなど多くのサービスをマーケティングに取り入れている。その中でフォロワーが急速に伸びているのがインスタグラムだ。15年度に開始したにもかかわらず、翌年度末にはフォロワー数がツイッターを抜いた。現在は68万人超が登録している。その数はまだフェイスブックページに劣るものの、投稿に対する「いいね!」やコメントといった反応を示す「エンゲージメント率はインスタグラムが最も高い」(川名常海WEB事業部長)傾向にあるという。

 例えば、今年1月5日に投稿した、イチゴをフリーズドライにしてホワイトチョコレートをかけた菓子「不揃いホワイトチョコがけいちご」の写真は、いいね!数が1万1000件を超えるなど大きな反響を呼んだ。その結果、EC(電子商取引)サイトには国内外から大量の注文が舞い込んだ。

 スマホ向けアプリ「MUJI passport」も重要なマーケティングチャネルになっている。ダウンロード件数が870万件を超え、年間のアクセスベースではWebサイトを超える。

 ところが、ユニークユーザー数はWebサイトに及ばない。MUJI passportは1人当たりの利用頻度が26回と、Webサイトの8倍以上になっているためだ。アプリには濃い顧客が集まっているため、顧客単価もアプリ非利用者の1・5倍となっている。

 無印良品に次ぐ2位にランクインしたのは、日本マクドナルドが運営する「マクドナルド」だ。強みは、同業で21位のモスバーガーと比較すると分かりやすい。

 購入要因となったメディアとしてネットニュース・情報メディアを挙げた人はややマクドナルドが上回っているものの、さほどの差はない。逆に一般ユーザーのクチコミ投稿などを挙げている人はモスバーガーが15・0%で、12・5%のマクドナルドを上回っている。

 両者の間で10ポイント以上の差がついたのは、企業サイト・アプリなどのメディアだ。マクドナルドは、ダウンロード件数3300万件を超える(4月時点)公式アプリが威力を発揮している。

 アプリだけではない。昨年春開設の「BurgerLove」も、来店・購入意欲の向上に寄与している。「バーガー好きのためのライフスタイルマガジン」を標榜するBurgerLoveは、期間限定商品の開発経緯や定番商品の歴史、CM出演タレントが語る「マクドナルドと私」などの読み物コンテンツを公開している。

エピソード充実

 6月に期間限定で実施した「ビッグマック祭り」キャンペーンでは、5月31日に開催した発表会当日に、ビッグマックの生みの親の紹介や、国内初出店を後押ししたのがビッグマックだったことなどのエピソードをつづった「ビッグマック誕生ストーリー」をBurgerLoveに掲載。その後、CMに出演した大島優子さんがビッグマック愛を語るインタビュー記事やCM撮影の現場リポート、CM動画を順次公開していった。

 このBurgerLoveに、公式アプリのトップ画面からワンタップでアクセスできるようになっているため、クーポンを探そうとアプリを操作している来店客の目に留まり、商品理解と来店頻度の向上につながっている可能性が高い。

 現在、展開中のキャンペーン情報の告知にとどまらず、商品の歴史や開発にかける思い、味わいへのこだわりなどをストーリーとして伝えられる自前メディアを持ったことの意義は大きい。

(日経デジタルマーケティング7月号 小林直樹、中村勇介、降旗淳平)

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