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日経の紙面から

ネット通販株、中堅に勢い、ANAP、低価格で成長、北の達人、独自商品強み、楽天など大手は伸び悩み。

[ 2017年9月9日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 株式市場で中堅のネット通販企業の評価が高まっている。カジュアル衣料のANAP(アナップ)は低価格の品ぞろえで節約志向の消費者を捉え、株価は2015年末から2・6倍になった。健康食品の北の達人コーポレーションは独自商品で収益を伸ばし、株価は3・6倍だ。各社とも扱う商品に特徴を出し、激しい競争の中で顧客を開拓している。楽天やヤフーなど大手の株価が伸び悩むのとは対照的だ。

 ANAPは10〜30代の女性に照準を合わせ、シャツやブラウスを1着2000円前後で販売する。総務省によれば25歳未満(二人以上世帯、14年)の衣服類への支出は10年前から約2割減った。低価格ファッションを取りそろえ、節約志向が強まった若者の需要を捉えている。

 収益は改善する見通しだ。取扱商品は前年度から3割減で、人気の高いものに集約した。17年8月期の最終損益は5500万円の黒字(前の期は2000万円の赤字)を見込む。4期ぶりに最終黒字に転換したようだ。

 北の達人コーポレーションの売れ筋は独自開発のオリゴ糖「カイテキオリゴ」。化粧品や健康食品の販売に力を入れている。他社にはない独自商品で価格競争を避けており、18年2月期の税引き利益は前期比50%増の5億3300万円と、過去最高になりそうだ。

 消費者どうしの物品売買を仲介する企業も市場の評価が高い。海外ブランド品の販売サイト「バイマ」を運営するエニグモの株価は8日終値で1583円で、15年末から9割近く伸びた。

 ブランドを出品するほとんどは海外在住の日本人で、日本では手に入りにくい商品が買える。17年1月期の連結取扱高は前の期比36%増の約332億円と、中堅の百貨店1店舗の売上高と同規模まで成長した。

 ネット通販の市場規模は経済産業省によると、16年で15兆1000億円。10年比で約2倍だ。物販全体に占める電子商取引(EC)の比率は5%を超す。ネットの普及と利便性が追い風だ。

 ただネット通販は他社と価格を比較しやすく、競争が激しい。クレディ・スイス証券の米島慶一マネージングディレクターは「独自性の強い商品や使いやすいサイトの構築など、違いを出せる企業が生き残る」と話す。

 国内のECといえば、楽天やヤフーが代表格だ。ただ最近はメルカリのようにネット上で個人間の物品売買が広がっている。直接取引の手軽さと価格の安さで若者が利用し経産省は市場規模は約3500億円とみる。将来は1兆円規模まで成長するとの見方もある。

【表】中小のネット通販関連企業の株価は急伸している    
社名      最終利益(百万円)  株価騰落率(%)  事業内容 
低価格ファッション    
ANAP      55(黒字転換)  2.6倍     若者向けの
                             女性ファッション 
夢展望      750(黒字転換)  3.8倍     同 

ニッチ分野    
エニグモ   1,342(17)    89.6     海外ブランド品の
                             売買仲介 
シュッピン    950(28)    77.4     カメラや時計
                             などの売買 

化粧品・食品関連    
アイケイ     430( 1)    5.6倍     独自ブランドの
                             化粧品や食品販売 
北の達人     533(50)    3.6倍     同 

株価が伸び悩む大手    
楽天     550億円(45)    ▲9.1     ネットサービス全般 
ヤフー  1,200億円(▲12)    1.2     ポータルサイト最大手 
 
(注)最終利益はANAPのみ前期で、その他は今期。カッコ内はANAPがその前の期、それ以外は前期との増減率%。いずれも日経予想。株価騰落率は8日と2015年12月30日を終値で比較。▲はマイナス   

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