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南館跡、パルコや映画館入る複合ビルへ、松坂屋上野店、110年目の若返り、Jフロント、団塊ジュニアに的。

[ 2017年9月18日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 J・フロントリテイリングは松坂屋上野店(東京・台東)の南館跡地に、複合ビル「上野フロンティアタワー」を11月4日開業すると発表した。百貨店としての開業から110年目を迎え顧客の高齢化が進むなか、子会社のパルコや映画館など多様な業態を取り込み若返りを図る。団塊ジュニア世代など30〜50代を呼び込んで客層を広げる。

 「母は松坂屋、娘はパルコ。親子で食事やファッションを楽しんでもらいたい」。14日、上野フロンティアタワーの22階で開いた記者会見で、Jフロントの山本良一社長が狙いを説明した。

 新施設は地上23階・地下2階で延べ床面積は約4万1千平方メートル。1〜6階にパルコ、7〜10階にシネマコンプレックス(複合映画館)のTOHOシネマズが入居し、12〜22階はオフィスとなる。

 Jフロント子会社の大丸松坂屋百貨店が直接運営するのは地下1階だけだ。隣接する地上8階建ての松坂屋上野店本館と一体で客を呼び込む。

 松坂屋上野店は呉服店時代を含めると約250年、百貨店としては110年の歴史を持ち、上野地域の商業・文化の中心として親しまれてきた。

 ただ顧客の高齢化が急速に進んでいる。同店のカード会員約20万人のうち、65歳以上の比率は42%。大丸松坂屋全体の平均27%と比べ15ポイントも高い。かつて1000億円規模だった売上高は、直近約400億円で低迷する。

 大丸松坂屋の好本達也社長は「百貨店だけの力で若い人を呼ぶのは難しいが、シネコンやパルコといった武器を持つことで集客を図れる」と新施設に期待を込める。

 パルコが東京23区に出店するのは、1973年の渋谷パルコ以来44年ぶり。複合ビルの一部フロアに入るのは初めてで、店名は従来の「地名+パルコ」でなく新業態の「パルコヤ」とした。パルコの牧山浩三社長は「大人のたまり場として何度でも来たくなる施設に磨いていく」と話す。

 パルコが運営する1〜6階には全68店のテナントが入る。特に重視したのは化粧品と食だ。

 1階には化粧品店「サボン」「マック」、喫茶店「ディーン&デルーカ」などの人気店を誘致。2〜5階はかばん店「マザーハウス」など地元ゆかりの会社の店舗が多く入る。6階はレストランゾーンとした。アパレル店舗の割合は約3割と、全国16あるパルコで最も低い。パルコヤでは年60億円の売上高をめざす。

 7〜10階のシネコンは8スクリーン、1400席で家族連れを呼び込む。アニメ映画などを上映し近隣の秋葉原からも若い世代を誘う。12〜22階のオフィスは既に満室。地元企業を中心に約1000人が働き、飲食や仕事帰りの買い物などの消費が生まれそうだ。

 Jフロントは今年4月には松坂屋銀座店の跡地に複合商業施設「ギンザシックス」(東京・中央)を開業。19年秋には関西の主力店、大丸心斎橋店(大阪市)も再開発しマンションなどと組み合わせた複合施設とする。

 主力の衣料品が不振で百貨店の売上高が低迷するなか、不動産事業の賃料収入を安定した収益源にする考えだ。

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