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MonotaRO――甲田哲也執行役管理部門長、商品点数の拡大優先、PBに導く(注目企業ここが知りたい)

[ 2017年9月17日 / 日経ヴェリタス ]

 ――2017年12月期の連結決算では売上高が842億円、純利益が79億円とともに過去最高を更新する予定です。

 「売上高は設立から、純利益はリーマン危機で一度落ち込んだ後の10年12月以降、継続して過去最高を更新し続けている。取り扱う分野を製造業から工事業、自動車装備業、最近では医療・介護、農業にまで広げ、取扱商品点数は1千万点を超える。商品分野と点数を増やすと多くの人の目にとまり顧客が増える。それにより売り上げが増えるとより多くの商品が在庫化、さらにはPB(自社商品)化され、さらなる商品点数の増加につながる。売り上げ拡大、商品拡大、顧客拡大、在庫拡大、一回りして売り上げ拡大へとつながるこの成長のサイクルが強みだ」

 「PB商品は約30万点あり、うち約1万点が注文が特に多いコア商品だ。『経費削減』と銘打つPB中心のカタログも人気だ。利益率の高いPB商品だが、新規顧客はまずナショナルブランド(NB)を買うことが多く、徐々にPBへと移行する傾向がある。PBの売り上げを伸ばして利益率を高めることも重要だが、まずは商品点数規模を拡大し、モノタロウならなんでもそろうというメッセージを伝えていく」

 ――茨城県笠間市で4月に稼働した新物流拠点では自動化を進めています。物流関連費にどのような影響を与えますか。

 「茨城県笠間市の物流拠点ではピッキング作業に自動搬送ロボットを使うことで人件費を抑えながら生産性を倍にすることができる。省人化もできるため人件費の削減の効果も大きい。だが、まだフル稼働ではないため、売り上げの増加に伴う出荷件数の増加には兵庫県尼崎市の物流拠点の派遣を増やし対応している状況だ。そのために人件費が増え単体での上期の物流関連費は売り上げ比で6.3%の計画に対して6.5%と下回った。下期は稼働率をあげ通期では前期比0.1%減の5.8%を見込んでいる」

 ――主要顧客の中小企業だけでなく大企業向けも力を入れています。

 「大企業とは、売上高でおおよそ1千万円以上が見込める企業だ。従来の大企業向けの購買管理システムの簡易版で、無料で使える『モノタロウワンソースライト』は3月の提供開始以降27社で導入され好調な出足だ。単価としては1万円程度の注文が月2回が平均的だが、大企業は規模が大きいため注文する部署も多く頻度が上がり売り上げへの貢献につながる。現在大企業向けが全体の売り上げに占める割合は1割程度だが、20年までに2割を目指したい」

 ――海外事業はまだ業績への貢献は限定的です。

 「韓国は7月に13年1月の設立以来初めて単月での営業利益の黒字化を達成できた。今後も顧客を増やすためにリスティング広告などを強化していく。一方でインドネシアは日本や韓国と社会構造も異なりこれまでのノウハウが全て通じるとはいかない。日本では溶接、機械系などの需要が高いが、産業が異なるため繊維や食品工場向けの工具などが人気で、サプライチェーンもより細かく手作業も多い。改善の余地は多いが、地域ならではで必要とされる分野を伸ばし収益に貢献できるようにしたい」

 ――中小企業向けに電気のサービスを始めました。今後も他社と連携したサービスを強化しますか。

 「中小企業は電気代を安く抑えたいというニーズが強く、我々も他のサービスとの連携で客との接点が増え継続購入につなげられる。特に電気などのインフラは長期間使い続ける傾向があるため、相乗効果も高い。具体策はまだないが、中小企業のニーズに合い、我々の売り上げ貢献につながるものは連携していきたい」

 ――M&A(合併・買収)も考えていますか。

 「可能性としてあるのは顧客を増やすためのM&Aだ。BtoB(企業間取引)の通販を広げるためには、間接資材以外の分野でBtoB向けに展開するネット通販企業などは相乗効果が高いだろう。大手だけでなくニッチで専門性の高いネット通販もある。現時点で考えているわけではないが今後検討していきたい」

こうだ・てつや 1999年(平成11年)に司法試験に合格、2001年に法律事務所に入所。08年には米ニューヨーク州の司法試験に合格、09年には大手コンサルティング会社のA.T.カーニーに入社。14年にMonotaROに入社し、執行役管理部門長に就任。弁護士、経営コンサルタントとしてのキャリアを生かしつつ、プライベートでは空手を楽しむ。岡山県出身。42歳。

■MonotaRO 2000年設立。社名は英語で間接資材を表すMROと、オフラインでのやりとりが多く納期や商品の価格が不透明な既存の流通ルートを打ち破る「桃太郎」に由来。リクシルの瀬戸欣哉社長が設立し、「工具のアマゾン」とも呼ばれる。兵庫県尼崎市に本社を置く。

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