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ショールーミング(3)大型パネルで服選び(よくわかる)

[ 2017年10月2日 / 日経産業新聞 ]

 アパレルや服飾雑貨店であえて実店舗を「ショールーム」として使い、自社のネット販売を伸ばそうとする動きが広がる。ただ過去に大手通販会社がショールーム方式を普及させようとして失敗した事例もあり、各社の試行錯誤は続いている。

 青山商事は昨年10月、東京・秋葉原に「洋服の青山」の新型店をオープンした。「デジタル・ラボ」と位置づけ、店内に大型タッチパネルを設置。顧客はサイズや色柄、機能をパネルで選べる。1000万点以上を扱う同社の通販サイトと連動しており、店内にない商品でも買いやすくした。

 同店の売り場は通常の4分の1の約170平方メートルと全国約800店の中で最も小さい。タッチパネルの導入で「店内に在庫がないから買わない」という売り逃しを防ぐ。また安価なカジュアル衣料と異なり、値の張るスーツは店員に採寸してもらって素材や着用感を確かめたい人が多く、ショールームの役割は大きいとみる。販売好調で9月には東京都大田区などにも同様の店舗を出した。

 カジュアル衣料「クロコダイル」などを展開するヤマトインターナショナルは昨秋、男性向けブランド「CITERA」(シテラ)を立ち上げた。ネット通販専用ブランドだが「実際に触れてもらう場は必要」(盤若智基社長)として、不定期で都内に期間限定店を設置。現在は新宿に売り場を設けている。

 丸井グループも東京や千葉の店舗で、プライベートブランド(PB=自主企画)の靴などの試着品しかない売り場を導入する。店内にあるタブレットで注文し、最短2日で自宅に届く。在庫を置かないため売り場を有効活用できるほか、顧客も手ぶらで買い物できるなどの利点がある。

 ネットとリアルの融合が進む一方で、アパレル業界ではかつてショールーム方式の普及に失敗した苦い教訓もある。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイが2013年10月に仕掛けた「WEAR」(ウェア)というサービスだ。

 スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、参加ブランドの店頭でバーコードを読み取ると、価格や色などの商品情報がわかるなどの機能を盛り込んだもの。店内に在庫がなくても、ゾゾタウン経由で注文ができるなどの利便性が受けるとみて始まった。

 だがルミネなどの多くの商業ビルが「店舗の売り上げが落ちる」などと導入に反対。また家電とは違ってネットと実店舗で価格差はなく、すぐに持ち帰りたいという声に応えられないなどの理由で、わずか半年ほどでショールーミングの買い物サービスを終えた。

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