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ゲオHD、中古品を最寄り店に取り寄せ――実店舗への来店動機に(戦略ネットBiz)

[ 2017年12月6日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ゲオホールディングス(HD)はネット通販と店舗を融合した新しいサービスを始めた。総合リユース店「セカンドストリート」(セカスト)などで扱う中古のファッション商材について、ネットから最寄りの店舗への取り寄せを依頼できるサービスだ。リユース市場は拡大基調だが、他社との競争は激しさを増す。ゲオHDは店舗網の強みで特徴を出す。

 セカストの通販サイトは、全国500店強のセカストなどの店舗で置いてある中古アパレルなどをネット上にも公開し、買えるようにしたサイトだ。商材は各店が在庫として保有し、店頭と同時にネットでも併売している。消費者がネットで注文した場合、各店の在庫から自宅に送られる。

 中古品はそれぞれの店舗で買い取って販売するため、消費者にとっては自分の好みにあうものが最寄り店にあるとは限らない。全国の店舗の在庫をネットで探せれば、選択肢が広がる。

 ゲオHDが今年10月に始めたサービスは、サイトに掲載される30万点以上の商品を消費者がネットで依頼すれば、最寄り店に取り寄せてくれるサービスだ。取り寄せられるのは、1度に3点まで。店頭で本人確認済みのポンタカードIDとゲオIDの会員登録が必要だ。希望の店舗に4〜6日程度で届く。入荷はメールで通知。預かり期間は、到着通知メールから7日間となる。消費者は購入前に品物を確認でき、キャンセルも可能だ。

 まずは衣料品や腕時計、服飾雑貨などを対象に始めた。同サービスはブランド品などの高級品では実施例が多いが、対象範囲を数千円からにすることは珍しいという。

 遠くの店から取り寄せるには輸送コストがかかる。キャンセルされれば販売機会も失ううえ、接客などの人件費も余計にかかる。それでも「来店いただける広告費と考えれば、コストはそんなに大きくない」と、ゲオHDの遠藤結蔵社長は説明する。来店動機が増えれば、店頭の別の商品の「ついで買い」を誘ったり、継続的な来店客になってもらったりする機会も生まれるとみる。

 ネットを通じた取り寄せサービスを始めた背景に、リユース市場の環境の変化がある。中古品ショップの競争のほか、個人間取引を仲介するネットサービスとの競合も増えてきた。メルカリをはじめとするスマートフォン(スマホ)のフリーマーケットアプリの登場で、低単価の商品でも利用者同士が気軽に売り買いできるようになった。

 11月にはコメ兵が個人間取引のアプリに参入。オークションサイトのヤフオクも出張買い取りのサービスを始めた。

 遠藤社長は「いまのところ(他社との競合の)影響は出ていない」と話す。セカストの2017年4〜9月期の売上総利益は前年同期比14%増の148億円と堅調。全国に配置する出張買い取りチームの充実などをテコに流通量は増えているという。

 ゲオHDは主力のレンタル事業が苦戦するなか、リユース事業はさらに伸ばす必要がある。セカストは年50店のペースで広げていき、全国800店までは可能とみる。18年3月からは対象を楽器や家電などの大型商品にも広げる予定だ。

 ネットでは個々のユーザーの嗜好にあわせた提案などを強化していくほか、店頭のIT(情報技術)の活用も命題だ。「例えば将来はデジタルサイネージ(電子看板)などを使って、(取り寄せた商品とあう)関連商品も提案できるようにしたい」(遠藤社長)。ネットと店頭を組み合わせながら、きめ細かく対応できるかが勝敗の分かれ目になる。(沖永翔也)

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