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ローソン、悩める省力化、都内で深夜に無人レジ、人手不足対応、客には負担も(ビジネスTODAY)

[ 2017年12月5日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 ローソンは4日、深夜のレジを無人にする実験を2018年春にも始めると発表した。人手不足と人件費上昇に対応する。ファミリーマートとサークルKサンクスの統合で業界3位に転落したローソン。セブン―イレブン・ジャパンの背中はさらに遠い。効率化を進め両社を追う構えだが、客に負担をかける面もある省力化で反転攻勢のきっかけをつかめるか。

 「最先端でなければ利用客にも加盟店にも支持されない」。4日、次世代コンビニの研究施設を公開したローソンの竹増貞信社長は力を込めた。

 東京都港区の研究施設「ローソンイノベーションラボ」を訪れると、まず目につくのはヒト型ロボット「ペッパー」だ。客が持っている商品の特徴を説明するなど店の案内役を担うという。その傍らで説明員が無人レジのデモを見せてくれた。

 決済にはスマートフォン(スマホ)を使う。おにぎりに貼られたバーコードを試しに読み取ると、スマホの画面に商品の情報が映し出された。画面上で支払い方法を選べば決済完了だ。最後にスマホ画面に出るバーコードを専用端末にかざすと「お買い上げありがとうございました」と表示された。

 ローソンはこのレジを東京都内の数店舗に設置する計画。午前0時から5時までレジを無人にして、店員は商品を売り場に並べたり撤去したりする作業に集中する。客の問い合わせ対応などで完全に無人にはならないが、竹増社長は「最大3時間分のレジ作業の労働力を減らせるのではないか」と分析する。

 ローソンは研究施設まで作って店の効率化を急ぐ一方、野心的な出店計画も掲げる。16年に1万2千店弱だったファミマがサークルKと統合し、1万2千店超だったローソンは3位になった。この状況を挽回すべく、21年度には店舗数をファミマに匹敵する1万8千店に増やす計画だ。人手不足感が強まるなか、大量出店を続け24時間営業を維持するには店舗運営の効率化は欠かせない。

 もちろん人手不足や人件費の高騰はコンビニ共通の課題。その課題への取り組み方で各社の道が分かれつつある。あるコンビニ大手幹部は「ローソンは理想主義、セブンは現実主義、ファミマはその中間」と話す。

 セブンが進めるのは店を利用する客に影響しない範囲での効率化だ。おでんや揚げ物のじゅう器を洗う食洗機を18年2月末までに約2万の全店に導入。作業時間の3割削減を見込む。ICタグを使い、商品納入時の店員による確認作業を減らす実験も始めた。

 対するローソンの無人レジは客にもある程度の負担を強いる。実験店では深夜にスマホを持たない来店客は買い物ができなくなる場合もある。現金払いの比率が売り上げの8割を占めるなか、無人のレジは客の目にどう映るのか。

 竹増社長は「人の心とデジタルを両立して利用客にも店にも効率的な仕組みをつくりたい」と話す。しかし供給者の論理が先行しすぎるようだと、肝心の客の心が離れるリスクも高まる。

(今井拓也、松田崇)

【表】コンビニ大手が店舗運営の効率化を進めている  
企業名  取り組み 
ローソン 深夜のレジを無人にした店を18年春にも展開。
     パナソニックと組み17年2月まで会計や袋詰めを自動化したレジを実験 
セブン  自動の食洗機を18年2月期中に全店に導入。
     ICタグを商品に付けて店員の確認作業を効率化する実験も開始 
ファミマ グーグルと提携し発注や店舗開発を人工知能に学習させる実験を開始

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