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O2O、ネットで店舗誘導、進化――比較サイトで割引券配布(#バズword)

[ 2017年12月18日 / 日経産業新聞 ]

 インターネットを利用して実店舗に来てもらうO2O(オンライン・ツー・オフライン)が進化している。旧来はメーカーや小売店がネットでクーポンを配布していたが、競合店の情報がひと目で分かる価格比較サイトでクーポンを配ったり、位置情報や属性データを利用したりする工夫が始まっている。

 O2Oはネットで商品・サービスの価格や評判、割引情報を発信して店頭消費に結びつける取り組みを指す。スマートフォン(スマホ)の保有率が高まり、ネット技術が向上するなかでリアルとネットの結びつき方は進化している。

 カカクコムの価格比較サイト「価格ドットコム」に1日、薄型テレビや洗濯機など約5000品目のクーポンが掲載された。「ビックカメラ×価格.com 対象商品3%ポイントアップクーポン」と名付けられ、ビックカメラの通販サイトと全店で使える。

 価格ドットコムのクーポン画面を店頭で提示したり、通販サイトでコードを入力したりすると、購入金額に応じて付与するポイントを通常よりも3ポイント上乗せする。ポイントは購入代金に充てられるため、実質的な値引きとなる。さらにビックカメラはカカクコムに一定の手数料を支払う。

 調査会社によると、店頭に商品を買いにきた消費者の6割が事前にネットで価格を調べている。誘客につながるなら外部の比較サイトとの連携もあり――。手数料がかかってもカカクコムと連携する点に、ネットを実店舗のライバルと決めつけなくなったビックカメラの姿勢が見てとれる。

 カカクコムは関西地盤の家電量販店、上新電機とも液晶テレビの販売促進で連携を始めた。「7万円以上(税別)のテレビご購入で2000ポイント進呈」。上新電機は自社の通販サイトを対象としておらず、実店舗への送客に集中する。

 O2Oを巡るもうひとつの新しい動きが、店舗向け販売支援アプリのipoca(イポカ、東京・渋谷)が計画しているサービスだ。気になる商品はまず取り置き――。顧客が商品を確保してから来店できる。欠品リスクをなくし、確実に買ってもらえるようにして来店につなげる。

 イポカは商業施設など100施設以上と連携し、テナント店舗の商品情報などを一覧できるアプリ「NEARLY(ニアリ)」を提供している。位置情報を取得し、施設に近づいた消費者のスマホに情報を発信する。従来は商品情報を流すだけだったが、アプリ操作で一定時間、商品を取り置ける機能を追加する。

 顧客が取り置きの操作をすると、店舗に顧客の性別や年齢の属性データを送信する。取り置いた商品がシャツの場合、シャツの柄や顧客の年齢にあわせたパンツなども準備することで、ほかの商品とのセット購入を提案できる。実証試験したところ、取り置き品の購入者の3割以上がほかの商品もついで買いしており、販促効果が期待できる。

 ネットから実店舗に誘導するだけではない。米アマゾン・ドット・コムが食品スーパーを買収するなど、ネット企業が実店舗を取りこむ動きも出てきた。ネットとリアルの境界線が薄くなっている。(毛芝雄己)

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