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ゲームチェンジャー――「低生産性=日本」を変える、改革型、ゾゾ、「ネット完結」へ採寸スーツ。

[ 2017年12月17日 / 日経ヴェリタス ]

事業モデルを再定義 商機広げ利益極大化

 既存の事業モデルやバリューチェーンを見直すことで商機を広げ、自社の利益を極大化するのが「改革型」だ。

 ネット衣類販売のあり方を一変させる潜在力を持つのが、スタートトゥデイ(3092)が開発した自動採寸スーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」だ。全身タイツのような見た目で、着用すると内蔵したセンサーが起動。生地の伸び具合から1万5000カ所ものサイズを瞬時に検知するという。利用者には送料を除き無料で配布する。

 ゾゾスーツの画期的な点は2つ。1つは採寸したデータを使えば試着せずに自分の体にぴったりあった服をみつけやすくなる。サイズがあわずに返品、という通販の問題点が改善し、実店舗での試着が減る可能性がある。

 もう1つは店にいかずにネット完結でオーダーメードの服を注文できることだ。商品内容など詳細は不明だが、実店舗のオーダーメード品よりかなり安くなる可能性がある。衣料のネット販売という新ジャンルを興したスタートトゥデイが自らの弱点を補い、ネット完結型の事業を強化する。

 ゾゾスーツ発表の11月下旬以降、スタートトゥデイ株は乱高下している。ゾゾスーツの発送遅れや、米アマゾンによる衣料事業の本格参入でシェアを奪われるとの懸念が背景にある。だがゾゾスーツの普及が進めば実店舗の商圏を侵食し「アマゾン対抗の最右翼」として見直される可能性は高い。

 フリーマーケットアプリのメルカリ(非上場)も「改革型」の1社。これまでネットの個人間売買の主流だったネットオークションは落札までに値段が動き、時間もかかっていた。基本、売り手が決めた値段が変わらず、落札も即決というメルカリの登場で個人間のネット取引市場が一気に広がった。

 流通網を改革し、商機を広げた企業もある。今年7月、ふわふわと浮遊しながら宇宙船内の様子を撮影する球体のドローンの映像が公開され、注目を集めた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によるこの新技術開発を支えたのがプリント基板の通販サイト運営、ピーバンドットコム(3559)だ。

 PバンCOMの特徴は最短1日で納品という圧倒的なスピードだ。プリント基板は全てオーダーメード。顧客から設計図を受け取り、納品するまで2〜3週間かかるのも珍しくない。同社ではネットで注文を受けると約20の協力工場の中からスピードとコストで最適な工場を選んで発注し、スピード納品する。納期順守率は100%だ。この仕組みでコストも極力抑え、今や顧客は中小企業から大企業に広がり、累計アカウント数は4万6000を超えた。

 ネット活用ばかりではない。ビジネスの流れそのものを変えるのが日本ハム(2282)だ。20年をめどに全国5カ所に大型倉庫を設置し、大型トラックでつなぐ巨大物流網を計画する。地方のメーカーなど同業他社にも倉庫とトラックのスペースの一部を開放する。

 手数料収入など短期的な収益が狙いではない。他社製品もまとめて運ぶことで顧客であるスーパーや百貨店の荷下ろしの負担を減らし「窓口」として発言力を高めることができる。将来の業界再編でも有利な立場も得やすいとの読みだ。「物流を制するものが業界を制する」と末沢寿一社長は語る。

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