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寒〜い秋冬、百貨店潤す?、衣料品好調で好決算見込む、コンビニは苦戦も。

[ 2017年12月24日 / 日経ヴェリタス ]

 主要小売業の2017年3〜11月期の決算発表が25日から本格化する。年内に発表する百貨店大手の高島屋(8233)やJ・フロントリテイリング(3086)は好決算が見込めそうだ。円安・株高を背景に富裕層や訪日客の消費が旺盛なうえ、衣料品の回復も追い風となる。一方でコンビニエンスストア各社は10月の台風などの悪天候に伴う客数減が響きそうだ。

 市場予想の平均(QUICKコンセンサス)によると、高島屋の3〜11月期の営業益は前年同期比で2%増の209億円とみられている。Jフロントも会計基準の変更で単純比較はできないが、収益拡大が期待できそうだ。

 9〜11月期は、寒さがプラスに働いた。全国的に平均気温が低下し、東京は平年より0.3度、大阪は同0.7度低かった。コートやセーターなどを購入する客が増え「衣料品の出足が非常に良かった」(高島屋の木本茂社長)。同社の衣料品売上高(単体)は、9〜11月まで連続して前年実績を上回った。

 Jフロントも、9〜11月の売上高が紳士服で5.7%増(3〜8月は0.3%減)、婦人服は4.0%増(同2.3%増)だった。山本良一社長は「中間層の需要は今年の夏まで弱かったが、9〜11月にプラスに転じた」と明かす。

 もっとも年内に決算発表するしまむら(8227)、アダストリア(2685)のアパレル2社は、市場は減益を予想する。両社とも9〜11月の既存店売上高が前年同期を下回った。気温低下というチャンスを生かせず、目立ったヒット商品を打ち出せなかったようだ。

 年明けの1月10〜12日には、スーパーやコンビニの決算発表が相次ぐ。増益が見込めるのはイオン(8267)だ。市場は3〜11月期の営業益を990億円と、16%増えると予想する。中核の総合スーパーで販促費などの費用削減に努め、採算改善効果が表れそうだ。

 専門店ではイオン系のドラッグストア大手、ウエルシアホールディングス(3141)は好採算の調剤部門を併設する店舗の増加が貢献する。良品計画(7453)や、11日に9〜11月期決算を発表するファーストリテイリング(9983)は、好調な海外事業が収益を下支えしそうだ。

 半面、コンビニは厳しい決算発表になりそうだ。10月に2度の台風に見舞われた影響もあり、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)やローソン(2651)は、コンビニ事業の客数減に苦しんだ。ただセブン&アイ・ホールディングス(3382)は海外コンビニ事業が好調で、天候影響をカバーできそうだ。

 株高や雇用環境の改善などを背景に、足元の個人消費は緩やかに回復している。日銀が発表する消費活動指数は、今年に入り14年4月の消費増税直前以来の水準を回復している。内閣府が発表する消費者態度指数も11月に13年9月以来の高さを示した。

 実店舗が主体の小売業はネット通販の台頭が脅威となっている。「いかに顧客ニーズを取り込むか」(ローソンの竹増貞信社長)という問いへの本気度が、中長期の業績を左右することになりそうだ。(野口和弘、伴和砂、向野崚)

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