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InnovationRoadmap2030――スマートワーク広がる、レジは無人、AIが人事(ニッポンの革新力)

[ 2018年1月22日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

生産性向上、小売りもオフィスも

 最先端技術を使ったスマートワークをうまく生かせば、人口減により市場の縮小や労働力不足が進むなかでも企業の成長や生活の質の向上を実現できる。人手不足が深刻な小売りや物流といった業界だけでなく、人事などのオフィス業務でも生産性を高める取り組みが広がる。

 コンビニエンスストアが人手不足対策を本格化している。ローソンは2018年春、実店舗で利用客がスマートフォン(スマホ)を使って決済するセルフ会計の実験を始める。

 スマホの専用アプリからバーコードを読み取ると、画面に商品情報が表示される。あとは支払い方法を選べば決済が完了する。深夜帯のレジを無人にする実験を始める計画で、竹増貞信社長は「人手不足に対してIT(情報技術)を活用する」と話す。

 ローソンは17年10月に東京都港区に設けた研究施設「ローソンイノベーションラボ」でスマートワーク時代のコンビニを模索する。

 セブン―イレブン・ジャパンは商品の陳列といった作業時間を3割強削減できる設備を都内の直営店に導入した。順次、全2万店に広げる計画で「店員が働きやすい環境をつくることで定着率の向上につなげる」(古屋一樹社長)。

 ネット通販の普及で輸送量が急増する物流業界では、人手不足を新技術で救う「ロジテック」に注目が集まる。このなか最先端のロボット技術をもつ日本のスタートアップ企業が存在感を増している。

 例えばロボットの制御システムを開発するMUJIN(東京・墨田)。同社の制御システムとカメラを搭載すると、動作を教え込む作業をしなくてもロボットアームが自ら動作を計算し、モノをつかみ移動させる。通常は教えた動作しか再現できないため、複雑な動きはできなかった。工場だけでなく、様々な大きさの荷物を扱う物流倉庫に活躍の場が広がった。

 トラックの荷台から荷物を降ろすロボット制御システムの開発にも着手した。運転手不足が深刻となるなか、自動運転技術などと組み合わせて人の手を介さずに物を運ぶ仕組みをめざす。

 デジタル技術の導入が遅れていた人事部門にもスマートワークが広がる。人工知能(AI)やビッグデータを活用する「HRテック」だ。採用や適材適所、リーダー育成、評価、給与、業務改善といった分野で普及している。

 人手不足で優秀な人材の確保が難しいなか、人事部の重要度が一段と高まってきている。HRテックを導入すれば、単純業務の効率化と自動化を進められるため、より企業に必要な人材確保といった戦略的な業務に人員を集中できる。

 人材サービス各社もHRテックの関連システムを開発・販売している。ビズリーチ(東京・渋谷)による採用状況などを一元管理するシステム「HRMOS(ハーモス)採用管理」は、応募者の属性や選考状況などをAIが分析し、書類選考を効率化できる。

 ネオキャリア(東京・新宿)はAIを活用した勤怠管理システムを開発。出勤時間の変化などを分析して、従業員のモチベーションが低下していないかどうかを判断できる。調査会社のミック経済研究所によると、クラウド上で人材を管理する「HRテッククラウド」の市場は21年度に16年度比5倍の613億円になるもようだ。

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