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コンビニの17年売上高(22日)――続く成長、既存店は苦戦(ニュースフォーキャスト)

[ 2018年1月21日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日本フランチャイズチェーン協会が22日、2017年の全国コンビニエンスストア売上高(大手8社)を発表する。16年実績を上回る見通しで、現在の集計方法となった05年から13年連続プラスとなる。18年も最大手のセブン―イレブン・ジャパンなどの出店拡大で成長が見込まれるものの、既存店の伸び悩みや人手不足といった課題も浮上している。

 「コンビニ同士だけでなく、(ネット通販などの)バーチャルやドラッグストアとのパイの奪い合いが起きている」。ファミリーマートの沢田貴司社長はコンビニを取り巻く環境をこう指摘する。

 コンビニ市場は全体では伸びが続く。17年の全国コンビニ売上高(大手8社)は11月まで毎月、前年実績を上回った。17年12月もシェア約9割を占める大手3社の月次売上高(全店ベース)は前年比プラスを維持しており、年間で16年実績を上回るのは確実な情勢だ。

 伸びを支えているのが店舗数の増加で、17年11月末時点で大手8社の店舗数は5万5374店。16年11月比で3・3%増え、この10年で見ると33%増になる。18年もセブンやローソンは17年並みの1000店以上の出店を続ける計画で、店舗網拡大にけん引されるコンビニ市場の伸びが続く見通しだ。

 だが既存店の売上高をみると、足元では苦戦が目立ち始めた。17年11月まで、大手8社の既存店売上高は6カ月連続で前年を下回る。

 苦戦の要因は来店客数の減少だ。17年11月まで、既存店の客数は21カ月連続のマイナス。12月も大手3社がいずれも客数減となった。

 コンビニのように食料品や日用品の品ぞろえを増やすドラッグ店の攻勢もあり、18年も既存店の客数は伸び悩みそうだ。そこでセブンはシェア自転車、ファミリーマートはコインランドリーといった異業種の新サービスを取り込んだ新型店舗を計画しており、集客力の底上げに動き始めている。

 コンビニは加盟店が独立して経営を担うフランチャイズ方式をとるため、各加盟店にとって経営環境の悪化は死活問題だ。既存店の不振が長引けば、大量出店を続ける理屈は成り立ちにくく、店舗網の拡大による市場の伸びという成功の方程式が崩れる恐れがある。

 「ドラッグ店など競合の出店が増えたこともあるが、一番の悩みは人手の確保だ」。首都圏のコンビニ加盟店オーナーはこう話す。コンビニの従業員はネット通販商品の受け渡しなど新たな仕事が増えており、負担の重い職場とのイメージが若者を中心に広まりつつある。春の従業員の入れ替わり時期の確保が年々難しくなっているという。

 チェーン本部も対策に動き出す。ローソンの竹増貞信社長は「今の労働生産性のままでは厳しい」と危機感を示し、IT(情報技術)を活用した省力化の実験を進める。セブンでも店内作業にかかる時間を最大で3割強削減できる設備を導入した。ファミリーマートは24時間営業の見直しが必要かどうかを検討するための実験も始めている。

 人口減などを背景に百貨店や総合スーパー(GMS)が苦戦するなか、コンビニは小売りで一人勝ちを続けてきた。だが米アマゾン・ドット・コムが生鮮宅配を日本で強化するなどネット勢との競争も激しくなる。既存店を襲う客数の減少や人手不足による経営環境の悪化という課題を克服できなければ、今後のコンビニ市場の成長は持続力を欠くことになる。

(今井拓也)

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