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AEON、物販ではもがくが...、生きる道はサービス業――グローバル・デジタル・サービス、「GDS」のフロンティアへ。

[ 2018年2月19日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 モノの量産・量販を中心とした「20世紀型の経済モデル」(ネスレ日本の高岡浩三社長)が終わろうとしている今、その主役だったイオンはどんな形にモデルチェンジするのか。勝手に想像すれば、必然的に「総合サービスインフラ企業」が答えの1つになる。

 ヤオハンジャパン(現マックスバリュ東海)、マイカル(現イオンリテール)、ダイエーを飲み込み、圧倒的な物量を備えたイオン。「メーカーから価格主導権を奪う」(岡田元也社長)ことを理由に規模拡大を進め、流通の簡素化、低価格化という面で一定の役割を果たした。もっともイオン自体が国内市場で売上高約8兆円の規模に見合ったプライスリーダーとなったわけではない。

 安さと言えば、スーパーのオーケー(横浜市)やディスカウントストア(DS)のトライアルカンパニー、ドラッグストアのコスモス薬品などが主役。価格面では固定費が低いDSやネット通販が優位に立った。固定費が高いイオンの物販は常に採算ぎりぎり。低価格の推進というイオンの役割は低下している。

 一方、サービス業は中小企業が乱立し、消費者から見ると適正価格が見えにくい。葬儀サービスに進出した頃から、イオンが強さを発揮できるのはサービス業だろうと言われてきた。婚活、子育て、介護などへと領域を広げるイオン。モノの場合はネット上で原価などが丸裸にされて、"暗黒大陸"と言われてきた流通構造は透明化しつつある。イオンの信用度が効果を発揮するのは未成熟のサービス市場だ。

 米ウォルマートは多くのM&A(合併・買収)によって、ネット企業としての力を備えてきた。イオンもその準備をしている。しかし、強大な店舗網と膨大な従業員を多く抱えるイオンのモデルチェンジは急速に進むわけではない。手間のかかるサービスという新・暗黒大陸にイオンがどこまで踏み込むか。総合スーパーのGMSからグローバル、デジタル、サービスの「GDS」へ。事業の柱の移行にフロンティアがある。

(日経MJ編集長 中村直文)

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