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ネット通販3社、百貨店を抜く、楽天・ヤフー・アマゾン、昨年販売額6.7兆円に、スーパーは共生模索。

[ 2018年2月18日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 電子商取引の普及が国内小売業の構図を変えている。楽天、ヤフー、アマゾンジャパンの国内ネット通販大手3社の販売額が2017年に初めて百貨店を抜いたことが分かった。ネット通販は衣服や日用品の取り扱いを強化したりすることでより消費者に身近な存在になる一方、百貨店は伸び悩んでいる。ネット通販の拡大は続いており、小売り最大であるスーパーの背中も見えてきた。

 ネット通販3社の販売額は、楽天とヤフーのそれぞれのサイトを通じた国内販売額を示す取扱高に、米アマゾン・ドット・コムの日本事業の売上高を合算した。17年は大手3社の合計で約6兆7000億円に達し、前年から13%増加した。

 経済産業省によると16年の個人向け国内電子商取引の規模は約15兆円。大手3社はその4割程度を占めている計算だ。

 日本百貨店協会によると、17年の全国百貨店売上高(速報値)は5兆9532億円と前年からわずかに減少した。百貨店では足元はインバウンド(訪日客)の増加で高額品の販売が伸びている。この効果で都市部の百貨店は盛り返しつつあるが、人口減が続く地方店は苦戦。不採算店舗の閉鎖も相次いでいる。

 ネット通販は大手3社がそろって2ケタの伸びをみせている。アマゾンは低価格と素早い配送で日本で利用者を増やし、17年の日本の売上高を119億ドル(1兆2500億円)と10%伸ばした。

 楽天とヤフーは買い物時に自社サービスで使えるポイントの割合を増やすなどサービスを拡充している。取扱高はそれぞれ、13%増の3兆4000億円、14%増の2兆500億円に拡大した。

 ネット通販は年々身近になっている。総務省によると、17年にネット通販を利用した世帯(2人以上)は34%と前年から6・5ポイント上昇し、1世帯あたりの毎月の消費額も初めて1万円を超えた。

 国内小売業で売り上げ規模が最大のスーパーもネット通販の急拡大に押されている。日本チェーンストア協会によると、17年のスーパーの販売額は12兆9175億円と2年連続で減少した。

 ネット通販のさらなる普及が避けられない中、スーパーは共生を模索する。米ウォルマート傘下の西友は楽天と提携し、共同で生鮮品や日用品を扱うネットスーパーを9月までに始める計画だ。

 セブン&アイ・ホールディングスはヤフー傘下のアスクルと食材の共同宅配に取り組んでいるほか、イオンはヤフー、ソフトバンクと提携する。3社はネット通販の運営で協力するとみられる。

 米国ではアマゾンが高級スーパーのホールフーズ・マーケットを買収したほか、無人コンビニの運営も始めた。中国でもアリババ集団が大型スーパーに出資するなどネットと店舗の融合が加速する。日本でも互いの垣根がさらに下がりそうだ。

 だがネット通販の急拡大のあおりで宅配の人手不足も深刻化する。宅配便最大手ヤマトホールディングスは宅配の値上げを進めており、アマゾンジャパンは4割の宅配料金の値上げに応じた。

 16年度の国内宅配個数は約40億個で20年代には60億個まで増えるとの予想もある。楽天が物流施設を3カ所から10カ所に増やす方針を発表するなど大手各社も対応を迫られている。(遠藤賢介)

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