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コンタクト、LINEで在庫確認――「すぐ欲しい」需要に応える(戦略ネットBiz)

[ 2018年2月28日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 眼鏡専門店「メガネスーパー」などを運営するビジョナリーホールディングスが、インターネットを使ったコンタクトレンズの販売で、店舗と組み合わせた工夫を磨いている。1月、消費者が対話アプリ「LINE」で店舗の在庫を確認し取り置いておけるサービスを始めた。「すぐ欲しい」というニーズに応え、若い顧客の獲得を目指す。

 「気づいたら『買い置きしていた使い捨てトコンタクトレンズがすっかり減っていた』という経験がある人は多い。コンタクトは時に緊急性の高い買い物」。デジタルエクスペリエンス事業本部の川添隆ジェネラルマネージャーは新サービスを始めた背景を話す。

 LINEによる在庫確認はまず、消費者がスマートフォン(スマホ)のLINE画面で「コンタクト在庫検索」と検索欄に入力。普段使うコンタクトレンズ商品と度数を登録したうえで位置情報を送ると、在庫のある店舗が近い順に表示される。希望の店を選んで取り置きボタンを押すと、翌営業日まで確保される仕組みだ。受け取るときは予約番号を伝える。

 検索時に登録したコンタクトレンズの在庫がない場合でも、同じ度数で別商品の在庫を探せる。

 コンタクトレンズは同じ種類を使い続ける顧客が多いうえ、定期的な購入需要があるため、もともとネット通販との相性がよい。同社はこれまでもコンタクトレンズ用品を定期的に届ける「コンタクト定期便」などに取り組んできた。また2017年からはコンタクトレンズを簡単に注文できるスマホアプリの配信を始め、購入履歴を活用して2回のタップで注文できるようにしている。

 今回の在庫確認・取り置きサービスは顧客の自宅などに配送するサービスではなく、店舗に来てもらうことで「すぐ欲しい」のニーズに対応するという仕掛けだ。

 配送型のサービスはこれまで、対象商品をそろえる時間も含め、注文から顧客の自宅に届くまで数日かかりがちだった。宅配サイト「出前館」で注文を受け付けて2時間以内に届けるサービスも着手していたが、都内2店から半径3キロメートル以内に限られるなど充実していなかったという。

 新サービスは全国に300店以上あるメガネスーパーのほか、ビジョナリーホールディングス傘下のシミズメガネ(大阪市)やメガネハウス(富山市)で対応する。来店予約もできるため、確実に手に入る。一般的にコンタクトレンズは他店と違いを出しにくい商材とされるが、「いち早く買えるのは顧客にとっての1つの価値。価格とは違うメリットを顧客に示せる」(川添氏)

 個々の店舗側にとっても、来店予約や事前に購入する商品がわかっていれば仕事がスムーズにできる利点がある。スタッフは視力測定や接客といった業務に力を注ぎやすくなる。川添氏は「デジタルチャネル側の役割を充実させれば、店舗の質も高まる」と好循環を期待する。

 同社は2008年4月期から8期連続赤字に陥り、13年に投資ファンドから星崎尚彦社長が派遣された経緯がある。再生の指揮をとる星崎社長のもとで目の健康に配慮した商品を幅広く扱う方針を掲げ、眼鏡だけでなくコンタクトレンズの販売にも力を入れてきた。

 そうした取り組みの結果、足元の既存店売上高は24カ月連続で前年を上回るなど堅調に推移している。「コンタクトレンズの販売がけん引している」(星崎社長)

 今後さらにネットと店舗を組み合わせながらコンタクトレンズの販売を伸ばす。主要顧客層は45歳以上だが、コンタクトレンズの購入者は10代後半から30代と若い世代が多い。LINEを活用した新サービスには、若い世代からの支持を高める狙いも込めている。

(沖永翔也)

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