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高島屋、大阪店が1番店、66年ぶり、売上高で日本橋店抜く、訪日消費は「西高東低」(ビジネスTODAY)

[ 2018年4月10日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 訪日外国人(インバウンド)客による消費で「西高東低」が顕著になっている。高島屋が9日に発表した2018年2月期決算で、大阪店の売上高が66年ぶりに全店舗の中で首位に立った。スマートフォン(スマホ)決済やライブ動画を使った宣伝など、大阪の百貨店では各社が新たな手法で競い合う。中国などアジアに近い地の利を生かし、最先端のモデルを生む発信地となりつつある。

 「西高東低という形でインバウンド需要が非常に拡大している」

 9日の記者会見で、高島屋の木本茂社長は営業利益が10年ぶりの高水準となった決算をこう表現した。同社の18年2月期の免税売上高は前の期比約42%増の487億円(空港型免税店除く)と大きく伸びた。うち半分の240億円を占める大阪店が全体をけん引する。

 高島屋は16年に中国のオンライン旅行最大手と連携するなど、百貨店の中でもインバウンド消費の取り込みに積極的だ。

 17年度、新宿店の売上高が3・5%増の733億円となるなど、多くの店舗で訪日客効果が続く。そのなかでも大阪店は同8・8%増の1414億円とひときわ伸び、日本橋店を抜いて1951年度以来の「一番店」に返り咲いた。京都店も3・9%増の881億円を記録した。木本社長は「訪日客の消費拡大は当分続く」と見ており、22年度には免税売上高を17年度比1・7倍の830億円に引き上げる計画だ。

 追い風が吹くのは高島屋だけではない。日銀大阪支店によると、17年の関西の百貨店の免税売上高は978億円で前年比75%増となった。

 「格安航空会社(LCC)を使ってお金が浮いた分を買い物に回せる」。中国・上海から大阪に遊びにきた20代の女性はこう語る。17年1月に関西国際空港にLCC専用ターミナルが開業したことが、中国を中心とした訪日客による消費の底上げにつながっている。

 スマホ決済の導入など販売のイノベーションでも「関西発」が目立つ。

 「かわいい」「私も行きたい」。中国から呼んだインフルエンサーが実況中継しながら売り場を歩くと、動画に相次ぎコメントが表示される。阪急うめだ本店やあべのハルカス近鉄本店では中国で定着しつつあるライブ動画による宣伝をいち早く取り入れ、今年から頻度を2倍に増やした。

 高島屋大阪店は2月から中国で普及するスマホ決済サービスの「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」を利用できる売り場を広げた。各社が競い合う中で、新たな技術や手法を導入する機運が高まっている。

 懸念は中国依存のリスクだ。阪急うめだ本店は免税売上高の8割を中国からの訪日客が占める。高島屋も免税売上高の85%を中華圏からの客が占めるなど訪日客による売上高は「世界情勢によって大きく左右される」(高島屋の秋山弘昭専務)。

 阪急阪神百貨店が今年から東南アジア各国でSNS(交流サイト)を使った情報発信を始めた。西高東低を一時的なものに終わらせないためにも、国や地域の多様化がカギになりそうだ。

(岩野孝祐、野口和弘、荒尾智洋)

【表】高島屋の店別売上高   
単位億円。売上高は法人営業なども含む。カッコ内は前年度比増減率%

関西 大阪店  1,414(8.8) 
   京都店    881(3.9) 

関東 日本橋店 1,342(1.0) 
   横浜店  1,316(1.7) 
   新宿店    733(3.5)

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