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バロックがICタグ導入、売れ残り情報を分析、主力婦人服で、8月実証実験。

[ 2018年4月16日 / 日経産業新聞 ]

 中堅アパレルのバロックジャパンリミテッドはICタグを活用した売れ残り商品の分析に着手する。8月をめどに実証実験を実施し、効果が認められれば、本格導入も検討する。対象は主力の婦人服ブランド「アズールバイマウジー」。ICタグを出庫管理や棚卸し業務に使う例は多いが、売れ残り商品の追跡に活用するのは珍しい。

 小売業で一般的な店舗のPOS(販売時点情報管理)システムは売れた商品の情報はわかるが、売れなかった商品の情報は把握しにくい。ICタグは蓄積できる情報量が格段に増えるので緻密な分析が可能になる。

 衣料品の購入パターンとしては、試着せず購入、試着した後で購入、試着したが気に入らず売り場に戻す、売り場から動かないの4種類が考えられる。全商品にICタグを取り付けると、それぞれの商品がどのように顧客に扱われたかがデータとして記録され、追跡可能になる。これらを分析すれば、商品の企画開発がより精緻になる。実現すれば、バロックのようなSPA(製造小売り)ならではの活用法といえる。

 ICタグはバーコードやQRコードに比べて蓄積できる情報量が大幅に増え、様々な用途が考えられる。ただ導入コストが高いことが普及を阻む要因の1つだった。タグの単価が10円を切り、コスト負担が軽減されたことも導入に踏み切る契機となった。

 出庫管理や棚卸しにも生かし、従業員の事務作業を軽減、労働環境の改善にもつなげる。これまで6人で1時間につき約5000点の商品を仕分けていた。導入後、1時間で従来の約3割増となる約7000点の商品を仕分けられるという。

 棚卸し業務にも活用する。アズールバイマウジーは平均で1店舗あたり7000〜1万点の在庫を持つ。他社の事例によると、1店舗あたり平均で30時間かかっていた棚卸し業務は1時間に短縮できるという。

 ICタグを導入する動きはアパレル業界で広がっている。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは2018年内をメドに国内外の全商品にICタグを取り付け、在庫管理に要する時間を短縮する。ユナイテッドアローズも棚卸し時間の削減に役立たせている。しかし商品の売れ残り情報の分析に役立たせようという試みはほとんど例がなく、バロックジャパンは「他社よりも次のステップにいきたい」と意気込む。(高橋彩)

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