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伊藤忠、電子マネーに照準、ユニー・ファミマを子会社化、顧客データを分析。

[ 2018年4月20日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 伊藤忠商事がユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)を子会社化して関係を強化する背景には、業態の垣根を越えた競争激化がある。米アマゾン・ドット・コムなどネット通販の伸長は著しく、コンビニ既存店の売上高が伸び悩むなかで、両社で独自の電子マネーなどの金融事業や、顧客基盤をいかしたデータ分析などのデジタル戦略に取り組む。

 「(子会社化したのは)伊藤忠のコミットメントの表れ」。伊藤忠の鈴木善久社長は19日の記者会見でこう話した。

 ネット勢やドラッグストアの伸長で、小売りで一人勝ちを続けてきたコンビニにも成長の陰りが目立つ。国内では業界全体で既存店の来店客数が2月まで24カ月連続で前年を下回った。伊藤忠とユニー・ファミマHDは中国など海外コンビニ事業でも連携するが、主軸は国内のコンビニ事業だ。1万7千店超を抱えるファミリーマートのテコ入れが欠かせない。

 今回の子会社化の布石になったのが、両社で手掛けようしている金融事業だ。17年9月に共同出資で新会社を設立した。

 ファミマは国内で「Tポイント」を導入しているが、新会社はTポイントとは別の自前のポイントや独自の電子マネーの開発に取り組んでおり、年内にもサービスの概要を固める。

 ただネット大手の事業拡大のスピード感に対して、2社での開発には「限界を感じていた」と伊藤忠幹部は話す。伊藤忠とユニー・ファミマHDが一体となってデジタル化に対応することが必要だと判断した。

 電子マネーなどを自ら手掛ける利点は、顧客の購買データの収集や分析につなげられることだ。分析したデータは、ファミマだけではなく伊藤忠が手掛けるファッションブランドの戦略づくりなどにもいかすことができる。

 にらむ相手はネット勢だけではない。ファミマの国内コンビニ店舗数は、1万7232店と2万店を超えたセブン―イレブン・ジャパンに次いで業界2位だが、背中は遠い。1店舗の1日当たり売上高を示す日販では店舗数3位のローソンより1万6千円低い52万円にとどまり、最大手のセブンイレブンの65万3千円とは大きな開きがある。

 デジタル事業では競合も手を打っている。セブン&アイ・ホールディングスも6月からスマホ向けの会員制アプリの運用を始める。購買行動を把握し、グループのコンビニやスーパー、百貨店との相互送客に活用する。19年度にもスマホ決済を導入する考えだ。

 ネット通販という実店舗を介さない消費が広がりをみせるなか、伊藤忠と関係を強め、いかに店舗への来店につなげるか。「我々にできてアマゾンにできないことはたくさんある。リアル店舗を使って何をするかが重要だ」(高柳社長)。1万7千店超の店舗網を使って何をするか、その答えが関係強化の成否を決める。

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