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アマゾンの影、伊藤忠走らす、ユニファミマ子会社化、新規事業探る(NEWSFOCUS)

[ 2018年4月20日 / 日経産業新聞 ]

 伊藤忠商事が19日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)を子会社にすると発表した。これまで「小売りはプロに任せる」との立場で一定の距離を保ってきたが、米アマゾン・ドット・コムなどのネット企業が実店舗のビジネスを侵食する現実が、伊藤忠を走らせた。

 「アマゾンの台頭で、小売業を取り巻く競争環境は激変している」。19日に都内で記者会見した鈴木善久社長兼最高執行責任者(COO)は、こう語った。アマゾンの事業拡大にコンビニエンスストアなどは防戦一方だ。

 伊藤忠は41・45%のユニー・ファミマへの出資比率をTOB(株式公開買い付け)で50・1%に引き上げる。追加出資は1203億円に上る。

 ネット企業への警戒心は鈴木社長が4月に就任してから鮮明だった。入社式では「ネット企業の台頭は企業の淘汰を呼ぶ。10年後にはネット企業が物流や金融、保険までを手掛ける。我々も大きな影響を受ける」と述べていた。

 消費者との接点を持つコンビニは強力な武器だ。国内に1万7000店を持ち、年間55億人が利用するユニー・ファミマは、先端技術を生かして新しい事業を生み出す拠点になり得る。すでに伊藤忠はAIで店内のカメラ画像を分析し来店客の年齢属性を分析するスタートアップ企業などに出資している。店舗に導入すれば大量のデータを集めてマーケティングに使える。

 伊藤忠は昨年3月に当時の岡藤正広社長(現会長)が信頼を置く高柳浩二氏をユニー・ファミマの社長に送った。関係者の間では「ユニー・ファミマににらみを利かせるためだ」とささやかれた。

 今回の子会社化で伊藤忠は、強い指導力を発揮できる。アマゾンへの「恐怖心」から始まった親子連携が真価を発揮するには、これまでの「現場任せ」を改め、ときには強権を発動するような決断力も求められる。(村松洋兵)

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