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大丸東京店・婦人くつ売り場――ウェブ予約、待たずに試着、面積広げ高価格帯を充実(HotZone)

[ 2018年5月9日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が運営する大丸東京店(東京・千代田)の婦人靴売り場が好調だ。2017年3月に売り場を広げ、より高額な商品も置くようにして価格帯を広げたところ、客層が拡大。18年3月の来客数は前年同月比7%増加した。ウェブ予約で商品を取り置きして待たずに試着できるサービスも始め、利便性を高めている。

 JR東京駅に直結する大丸東京店。5月上旬、3階の婦人靴売り場をのぞいてみると、旅行客や会社員など幅広い層の女性客でにぎわっていた。

 この売り場はより多くの客が買い物しやすいよう、17年3月に面積を有楽町側(南側)のエスカレーターの横まで拡大。従来の売り場に比べて面積を約1割増やして約780平方メートルにした。

 売り場の見せ方も変更した。神田側(北側)のエスカレーターを使う客が多いことから、上りエスカレーターの前に「トレンド」のコーナーを設けた。2週間に1回、靴や洋服、ハンドバッグを含めて新たなコーディネートを提案。客の興味関心を高めて購買につながるようにした。

 従来よりも高い価格帯の商品を求める富裕層を取り込もうと、品ぞろえも拡大。平均価格は従来1万6000円程度だったが、「コールハーン」や「ファビオルスコーニ」など、3万〜3万5000円程度の高価格帯の商品を追加した。

 改装が効き、この1年間で売り上げは約12%伸びた。客数は平日が約6%、土日が約10%増。婦人靴担当マネジャーの下川路真哉さんは「百貨店業界では靴の売り場を減らし化粧品売り場を増やすのが最近のトレンド。靴の売り上げが伸びているケースは珍しい」と胸を張る。

 立地の特性上、旅行のついでに立ち寄る客が目立っていたが、改装が新たな客層を呼び込む誘い水にもなっている。地方の百貨店の閉鎖が続き、東京駅を利用して地方から来店する客が増加。この数年は周辺にマンションやオフィスが建ち、会社員や住民も呼び込む。

 4月にはネット予約で黒のパンプスを取り置きできるサービスを始めた。5足1組となった7セットから好みのセットとサイズ、来店日時を選び、店頭で試着し購入できる。黒のパンプスの種類は多く、自分に合う1足を探すのは時間がかかる。「販売員がつかまらない」という客の不満にも応える。

 接客の質を高めるため、17年には「超時短」の販売員も導入した。従来の時短は1日5〜6時間働くケースが多いが、超時短は働く時間を午後5〜8時の3時間に限定する。1日のピークである午後7〜8時の販売効率を高め、人手不足に悩む従業員の確保にも寄与している。(小田浩靖)

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