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フルーツ・ベジタブル特集――鮮度・手作り感で勝負、スーパー、成城石井、売り場拡大、打倒ネット通販。

[ 2018年5月16日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 食卓を彩り、生活に潤いをもたらすフルーツや野菜。より鮮度の高いものを消費者に届けようという取り組みが広がっている。食品メーカーや飲料メーカーは生産者と協力を深めながら、健康志向に根ざした商品を拡大。小売りや外食の店舗でも品ぞろえやメニューが増えている。現場の最前線を追った。

 スーパー各社で生鮮品を強化する動きが相次いでいる。新鮮な青果や有機野菜をそろえる新業態を出したり、既存店の野菜売り場を拡大するなど各社が力を入れている。アマゾンなどネット通販が台頭する中、野菜や果物はスーパーの強みを発揮しやすい分野。店舗でしか買えない商品や体験をいかに提供できるか、各スーパーが知恵を絞っている。

 埼玉県を地盤とする食品スーパーのヤオコーは2017年11月、同社にとって初の都市型小型店となる「八百幸 成城店」を開いた。

 広さは標準店の半分ほど。商品数も大幅に絞ったが、集客の目玉に生鮮品を据えた。東京の大田市場に同店専任のバイヤーを置き、早朝に入荷した野菜をその場で買い付けて店舗に直送。その日の午前には店頭に新鮮な野菜が店に並ぶ仕組みを整えた。

 専任のバイヤーには自分の判断で調達できる権限も与えた。流通量が少ない西洋野菜や多少高価な果物も積極的に仕入れ、品ぞろえも充実させた。「価格以上に新鮮さなど商品価値を感じてもらえている。リピーターも多い」(同社)。有機野菜の売上高は全国でもトップクラスだ。

 イオンは4月、有機専門店「ビオセボン」の2号店を東京・目黒に出店した。16年に開いた1号店(東京・港)の運営が軌道に乗ったことから、18年は多店化を計画している。

 同店は生鮮食品のほか加工食品や化粧品などの有機関連商品を販売する。生産者から直送された新鮮な有機野菜が売りで、売り上げの半分以上を生鮮野菜が占める。有機野菜は競合の近隣店が扱う有機ではない商品の1・3〜1・5倍程度の価格だが、食品に気を使う子育て世代などに根強い人気があるという。

 既存店で野菜売り場を拡充する動きもある。首都圏を中心に高級スーパーを展開する成城石井(横浜市)は17年秋、野菜などの青果を扱う店舗を2倍に増やし、ほぼ全店に拡大した。17年9月から食品卸大手の国分グループ本社が川崎市に持つ物流センターに拠点を移転。青果の出荷能力を大幅に増やし、カット野菜の取り扱いも拡大した。生鮮品を強化して客層を広げる狙いだ。

 売り方を工夫して野菜の販売数を伸ばそうとするスーパーもある。ライフコーポレーションは17年4月以降の新店や改装店で、店内で漬け込んだぬか漬けの販売を始めた。生鮮売り場で販売するキュウリや大根を使用して原価を抑えた。手作り感を打ち出して売り上げの底上げを狙う。

 東急ストアでは3月の新店から、野菜などの生鮮売り場でレシピ動画を流すサービスを始めた。料理レシピサイト運営のクックパッドが提供する動画配信サービス「クックパッドストアTV」を活用したもので、その日に販売するおすすめの生鮮品に合わせたレシピを提案する。生鮮品の購入のきっかけになるなど好評で、今後も導入店舗を増やす方針だ。

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