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日経の紙面から

しまむら――思夢楽総経理星野起明氏、飾夢楽総経理篠英孝氏、中台で異なる足場作り(海外マーケットこう攻める)

[ 2018年5月15日 / 日経産業新聞 ]

ポイント
(1)台湾と中国本土で計200店へ
(2)現地のPB商品や現地調達を拡大
(3)2018年内にも台湾でネット販売

 カジュアル衣料大手のしまむらは、台湾と中国本土で足固めを急いでいる。店舗網を広げつつ現地ニーズに合わせた商品も投入する。インターネット販売に本格着手し、若い世代を中心に購入を誘う。台湾と中国で計200店まで販売網を広げる計画を持つ。台湾・思夢楽(しむら)の星野起明総経理と中国・飾夢楽(しまら)の篠英孝総経理に展望を聞いた。(聞き手は原欣宏)

思夢楽 総経理 星野起明氏  台湾 EC参入、若者獲得へ

 ――台湾に1号店を出して20年たちます。

 「1998年に思夢楽として出店した。主力業態『ファッションセンターしまむら』に近い売り場で、売れ筋は日本と大きく変わらない。気温の高い台湾でもセ氏15度を下回れば寒いと感じるようだ。3月までダウンジャケットを着ている」

 「ただ相違点も少なくない。現地ではバイクに乗る人が多く、女性向けはスカートよりパンツが売れる。風よけで羽織るアウターも売れ筋だ。色はピンクや白、緑など明るい原色が好まれる。日本より紳士服の構成比が高く、男性2人で来店する光景も珍しくない」

 ――出店スピードは緩やかな印象を受けます。

 「台湾で45店を運営している。3月下旬に台北市内で初めて都心部に出店した。一気に出店するとひずみが生じることを懸念した。利益を出せる立地を探りつつ年2〜3店増やす方針だ。安定運営を第一に進めている」

 「台湾の人口は約2300万人。50万人に1店は少ないと感じる。台中市より北にしか出していなかったが、南の地域も検討する。台北市内はまだ増やせる。将来は100店に拡大する計画だ。1店あたりの売上高は1億円強を見込む」

 ――事業拡大に向けた戦略はありますか。

 「強みである低価格だ。『ユニクロ』なども進出しているが、思夢楽の商品は他社より価格を抑えている。現地向け商品も強化中だ。日本のプライベートブランド(PB=自主企画)『クロッシー』を扱っていたが、現地のPB『SB(エスベーシック)』を増やしている。綿素材のパンツなどシンプルなデザインが特徴で価格は約2000円。現地バイヤーが仕入れた商品も販売する」

 「2018年内にも台湾で電子商取引(EC)事業に参入する。現地の『momo』のほか、ヤフーの通販サイトも検討している。店舗に置いていない商品を扱い、20〜40代の若い世代を取り込む。当初売上高は年3000万円を想定。自社サイトも運営する方針で、販路拡大を目指す」

飾夢楽 総経理 篠英孝氏  中国 立地苦戦、現地調達5割に

 ――中国本土は上海を中心に出店しています。

 「2012年に初出店し、日本や台湾と同じ業態で進めたが、思うように支持されず高い地価も重荷だった。15年に『3級都市』にも実験出店したが、17年までに閉鎖する例が目立った。路面店が中心の日本とは違い立地の試行錯誤が続く。現在出直しの状況だ」

 「上海や蘇州などに計11店舗ある。当初はすべて『しまむら』の商品だったが、現地で好まれる色を増やした。中国では体にフィットした細いパンツなどが売れる。消費者の声に耳を傾け現地調達品を50%に高めた」

 ――さらなるテコ入れ策を考えていますか。

 「ネット販売に力を入れる。17年にアリババ集団の『天猫(Tモール)』で販売を始めた。購入の場が店舗からネットにシフトし、参入は不可避だった。男女の肌着を中心に販売しているが、出足は順調で手応えを感じている。中国売上高の3割を目標に掲げている」

 「店舗は上海市内で増やす。賃料が高く意外と売れる場所は少ない。立地を選びつつ足場を固めていく。台湾の目標と同じ100店前後まで出せると考えている」

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