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証券新顔、若者に強み、将来不安で需要増、丸井が積み立て投信販売、KDDIはスマホで資産運用。

[ 2018年5月11日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 小売りやIT系などの異業種企業による証券・資産運用業への参入が相次いでいる。丸井グループは10日、積み立て投資専用の証券子会社を設立すると発表した。KDDIや対話アプリのLINEも証券ビジネスの準備を進めている。本業で培った若年層の顧客基盤を生かし、公的年金への不安などを背景に強まる資産運用ニーズを取り込む狙いだ。異業種の参入が今後も続けば、中高年層に偏っていた日本の資産運用市場の拡大に弾みがつく可能性がある。

 「異業種の柔軟な発想で市場を開拓したい」。丸井Gの青井浩社長は10日の記者会見で強調した。証券子会社を設立し、2018年夏から積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA(ニーサ)」の対象となる投資信託の販売を始める。スマートフォン(スマホ)の専用アプリから、自社のクレジットカード「エポスカード」で購入できるようにする。

 同社のカード会員は657万人(3月末時点)。20〜30歳代が約半数を占め、投資未経験者が多い。カードのポイントが付く利点をアピールし、店舗でセミナーなどを開いて投資を促す。10年後に100万人にサービスを提供し、資産残高1兆円を目標とする。

 LINEは5月中にも野村ホールディングスと証券登録をめざす準備会社を設立する。国内で月間7500万人が利用するLINEのユーザー向けに、野村が株式や投信など資産運用の手段を提供する。LINEのチャット上でリアルタイムで株取引ができたり、人工知能(AI)に質問できたりするサービスも予定している。

 KDDIは大和証券グループ本社と組んで、今夏にも資産運用業を始める。投信の購入申し込みから運用確認までをスマホで簡単にできるようにする予定だ。KDDIが抱える約2500万人の顧客データを駆使し「顧客の投資機会を掘り起こす」(高橋誠社長)という。

 背景には若者市場の開拓余地の大きさがある。20歳代の社会人に不安に思うことを聞いた調査では「お金」が6割とトップだった。年金財政への不安感や長寿化のリスクが意識されている。

 ネット証券は若年層に比較的強いものの、対面型の証券大手は中高齢層が中心。若年層の運用ニーズは満たされにくい状況で、分厚い顧客基盤を持つ小売りやIT大手にとっては参入の好機に映る。こうした動きに既存証券は提携で追随せざるを得ない面がある。

 異業種各社は若者が使い慣れたスマホで魅力あるサービスを提供すれば、投資を始めてもらえるとの勝算がある。LINEの出沢剛社長は「投資の未経験者にとって最適な入り口になる」と力を込める。

 日本は家計の金融資産のうち現預金が約5割を占める。異業種の参入を契機に、「貯蓄から投資」の流れが加速する可能性がある。

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