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衣料、起死回生の大型店、通販に対抗、雑貨も販売、マックハウス、広さ倍以上の90店。

[ 2018年5月27日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 カジュアル衣料品大手が店舗の大型化を進める。マックハウスは従来の2〜5倍の広さを持つ店舗を3年間で約90店開くほか、しまむらは年間出店数の約1割を大型店に充てる。かつて低価格を武器に成長した各社は、ネット通販の台頭などを背景に苦戦が続く。生活雑貨など洋服以外の商品も販売できる大型店を拡大し、収益のてこ入れやブランドの立て直しを急ぐ。

 マックハウスは4月末、新しい商業施設「コロワ甲子園」(兵庫県西宮市)に大型店を開設した。面積は約1500平方メートルと通常の5倍以上。従来は店舗内に低価格な衣料品が所狭しと並んだが、新店舗はゆとりのある空間が広がる。

 主力の衣料品に加え、女性向け化粧品や生活雑貨、靴などの商品を充実させた。290円からと低価格のアクセサリー売り場も用意。10代女性でも手の届く価格設定で、若い顧客層の取り込みや子供連れの来店客の「ついで買い」を誘う。

 しまむらは2017年12月、JR京都駅前に1500平方メートルの面積を持つ「ファッションセンターしまむら」を出店。豊富な品ぞろえに加え、今後芽の出る可能性のある商品を置く実験の場と位置付ける。同社の北島常好社長は主力業態について、年30〜40店の新規出店の「1割程度を大型化したい」と話す。

 アダストリアは3月、主力ブランド「グローバルワーク」の旗艦店を東京・渋谷に出した。店舗面積は約630平方メートルと、通常の店舗に比べ大型化した。

 各社が店舗の大型化で狙うのは、新たな需要開拓や収益のてこ入れだ。マックハウスは岩手県にある従来型の2店を閉め17年6月に隣接地で大型店を開業。足元の販売は好調で、閉店した2店の合算額の約7割の増収を見込む。

 同時にゆとりのある店舗と豊富な品ぞろえで「格安店」というイメージを払拭する。しまむらは5月下旬、寝具に特化した専門店を神戸市内に設けた。国内ではショッピングセンターの新設が相次ぎ、大型の店舗用地を確保しやすいことも背景にある。

 国内のアパレル市場は縮小が続く。直近の市場規模は10兆円と90年の15兆円から3分の2に縮んだ。一方で店舗などに並ぶ衣料品の量は37億点に倍増。単純計算で衣料品の単価は3千円弱とこの30年近くで半減したことになる。

 低価格な商品で業績を伸ばした各社はデフレ下の優等生とされた。だが近年は、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」などネット通販の攻勢も激しい。マックハウスは18年2月期決算で最終赤字に転落するなど、苦境が目立つ。

 業績回復の道のりは険しい。「ユニクロ」は高機能製品の投入や海外デザイナーの起用で好調を続ける。国内1店舗当たりの売り場面積は18年2月時点で935平方メートルと5年前より13%広くなっており、マックハウスなどが大型化しても消費者は真新しさを感じにくくなっている。

 大きな店舗に消費者を振り向かせるような商品を置き、満足度を高められるか。生き残りのカギを握るのは「大型化」のその後の戦略だろう。(原欣宏)

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