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日経の紙面から

最高益その先(4)ユニファミマ高柳浩二社長――ドンキ協業、若者に照準、ジム併設、物販以外にも注力。

[ 2018年6月9日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 2016年9月の経営統合で誕生したユニー・ファミリーマートホールディングス。傘下のコンビニエンスストアを「ファミリーマート」に転換する効果で、19年2月期は増益を見込む。一方、電子商取引(EC)との競争や人手不足への対応は大きな課題だ。高柳浩二社長に戦略を聞いた。

 ――「サークルK」や「サンクス」からの転換による品ぞろえ充実で、連結純利益(国際会計基準)は前期比19%増の400億円の見通しです。

 「転換済みの店舗は弁当や総菜の販売が伸び、1店の1日あたりの平均売上高(日販)が1割増えている。全5000店の転換は8〜9月までにほぼ終える。今期は転換店舗の日販の増額が約50億円の増益要因となる」

 ――一方、客数が振るわず、前期の全店の日販は52万円と微減でした。

 「前期までは統合作業が最優先の課題だった。今期は既存店への投資額を650億円と、前期比でほぼ倍増させる。購入商品を店内で食べられるイートインコーナーの拡充や、食品工場への投資などを予定する。人手不足に対応し、セルフレジや品出しをしやすい販売棚の導入も進めていく」

 ――21年2月期の連結純利益を、今期見通し比50%増の600億円とする中期経営計画を掲げています。

 「来期(20年2月期)の途中まではコンビニの統合効果を通じ、比較的手堅く増益を実現できるだろう。効果が一巡した21年2月期に利益を底上げできるかがカギになるが、心配はしていない」

 ――足元の消費動向をどうみていますか。

 「直近の家計調査では値上げが相次いだ食品部門の支出が減った。消費者が価格に敏感な状況は変わっていない」

 ――コンビニの国内店舗数は5万5000店を超え、飽和感もあります。

 「飽和は実感している。今後は量ではなく、1店ごとの質の向上がカギになる。コンビニは物販に頼りすぎで、サービスでも稼ぐノウハウが必要だ。スポーツジムやコインランドリー併設型の店舗の設置や、独自の電子マネー開発などによる金融事業の強化も進める」

 ――傘下の総合スーパーのユニーがドンキホーテホールディングスから4割の出資を受け入れました。協業の進捗は。

 「愛知県などでユニー運営の6店を共同店舗にしたところ、売上高は改装前に比べ倍増した。日用雑貨の販売が増え、30歳代など若年層の利用も増えた。来期はさらに20店を共同運営する」

 「今月1日にはコンビニでも都内で共同実験店を2店開いた。ファミマの商品構成比は大別すると食品が6割、日用雑貨などが4割だ。日用雑貨はドンキHDの知見の活用で販売増加の余地があるかもしれない。(ECの影響や新鮮味の薄れで)来店機会が減っている若年層を呼び込みたい」

聞き手から
新機軸の店舗
成果を見極め

 ドンキHDとの提携などで新機軸を打ち出すユニファミマ。ただコンビニ事業の前期の日販は、競合のセブン―イレブン・ジャパンを13万円強、ローソンを2万円弱下回る。今後の店舗投資やサービス多様化が本当に実を結ぶかが焦点だ。

 8日の株価は昨年末比で50%高い。筆頭株主の伊藤忠商事が8月にもTOB(株式公開買い付け)でユニファミマを子会社化する予定で、高値での買い取り期待が広がる。真の実力が株価に反映されるのはTOB後になりそうだ。(野口和弘)

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