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持続可能なウナギ調達へ、イオン、生産履歴追跡、らでぃっしゅ、サンマで代替。

[ 2018年6月20日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 小売り関連各社がウナギの安定調達に苦心している。イオンは海外の養殖環境の改善などで環境保護団体との連携に乗り出すほか、代替商品の開発も進める。土用の丑(うし)の日に需要の大きいウナギだが、世界的に絶滅が危惧されている。貴重な水産資源にどのように向き合うか、各社が対応を急ぐ。

 イオンはウナギの資源保護や安定調達のための強化策を発表した。例えばトレーサビリティー(生産履歴の追跡)などを徹底する。店舗で販売するウナギについては、日本や中国で養殖される「ニホンウナギ」と「インドネシアウナギ」の2種類をメインに据える。そのうえでこれらは2023年までに、完全にトレーサビリティーがなされたものに限定する。

 インドネシアウナギの調達に向けては、国際的な環境保護団体である世界自然保護基金(WWF)やインドネシアの大手養殖事業者と連携。ウナギの稚魚であるシラスウナギの漁業や養殖について、環境に配慮しながら安定調達するための改善計画を立案・実行する。

 毎年土用の丑の日(今夏は7月20日と8月1日)で注目と需要が高まるウナギだが、水産資源の中でも危機的状況にある。水産庁によると、今年日本で養殖場に供給されたシラスウナギの量は輸入も含めて計約14トン。歴史的な不漁となった13年以来の少なさで、相場も5年ぶりの高値水準にある。さらに中長期でみれば乱獲や生息環境の悪化によって、事態はより深刻になる可能性がある。

 国際自然保護連合(IUCN)は、複数種のウナギについて絶滅危惧種に指定しており、特に絶滅の恐れが大きい「ヨーロッパウナギ」はワシントン条約で国際取引が規制されている。今後、ニホンウナギでも同様の規制が定められれば、企業の調達に大きな影響が出るのは確実だ。イオンの三宅香執行役は「どのように環境と『ウナギ文化』を持続的に守っていくのかが、企業にとって重要」と語る。

 こうした状況を受け、各社が進める対策の一つが代替商品の拡充だ。イオンはウナギ以外の「かば焼き」商品で、代替需要を取り込む考え。ナマズや豚肉を使ったかば焼きは昨年から本格販売しており、関連商品の売り上げは2桁増と好調。今後も代替商品の品ぞろえを拡充していく。

 野菜宅配大手、オイシックスドット大地の子会社らでぃっしゅぼーや(東京・新宿)は、今年からサンマのかば焼きなどをウナギの代替商品として売り出す。牛ランプステーキやシジミ、梅干しなどもスタミナがつく食べ物としてPRする。

 同社ではウナギのかば焼きも販売するが、仕入れ価格が高騰していることから大々的な販促は実施しない。代替品の売り上げを伸ばしつつ、水産資源の保護を訴えて企業ブランドの強化にもつなげたい考えだ。

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