日経メッセ > リテールテックJAPAN > ニュース > 第51回17年度の小売業調査――訪日客消費、「増えた」35%、百貨店・コンビニの伸び顕著。

日経の紙面から

第51回17年度の小売業調査――訪日客消費、「増えた」35%、百貨店・コンビニの伸び顕著。

[ 2018年6月27日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 インバウンド(訪日外国人)消費は堅調に推移している。2017年度の小売業調査によると、1年前と比べて訪日客の利用が「増えた」と回答した企業は全体の35%と、16年度調査より12・4ポイント増加した。「変わらない」が47・6%。「減った」と答えたのは1・7%と、16年度よりも7・5ポイント減少した。

 日本政府観光局(JNTO)によると、17年の訪日外客数は16年比19・3%増の2869万人でJNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多となった。中国(735万人)と韓国(714万人)は700万人を超えた。航空路線の拡充やクルーズ船寄港数の増加などの要因が訪日外客数増加を後押しした。

 訪日客による利用の伸びが顕著なのは百貨店とコンビニエンスストアだ。17年度に百貨店で1年前と比べて訪日客の利用が「増えた」と回答した企業は81・0%、コンビニで72・7%となった。

 日本百貨店協会によると、17年の免税売上高は16年比46・3%増の2704億円と、爆買いブームが巻き起こった15年以来2年ぶりに過去最高を更新した。17年度の免税売上高は前期比41・6%増の487億円だった高島屋の木本茂社長は「西高東低でインバウンド需要が拡大」と指摘する。関西に多くの店舗を展開するJ・フロントリテイリングは62・8%増の479億円だった。

 関西国際空港を利用する訪日客の増加で大阪にある百貨店は好調に推移する。高島屋大阪店(大阪市)の免税売上高が6割増。大丸心斎橋店(同)が7割増、あべのハルカス近鉄本店(同)が5・4倍にも膨らんだ。国内販売で苦戦を強いられている百貨店の売り上げは訪日客がけん引している。

 訪日客の利用を促すための施策を「実施している」と回答した企業は全体の35・4%となった。16年度の調査よりも3・6ポイント増加した。百貨店は77・6%、コンビニは54・5%と、ここでも高い伸びとなった。

 具体策として実施・予定しているものとして、「銀聯カード対応の強化」が63・5%だった。「クレジットカード導入など支払い方式の多様化」(47・3%)、「アリペイやウィーチャットなどスマホ決済」(同)が続いた。

 高島屋は中国で普及するネット決済サービス「支付宝(アリペイ)」などをいち早く全ての化粧品売り場で導入するなどして、決済システムの整備を行う。海外富裕層向けVIPカードの会員への情報発信も強化し再来店を促している。

 コンビニ大手のセブン―イレブン・ジャパンは無料Wi―Fi「セブンスポット」の導入や海外発行のクレジットカードで24時間日本円を引き出せる多言語対応のセブン銀行ATMの設置を実施してきた。6月には都内の一部の店舗で民泊利用者向けのセルフチェックイン機の導入を開始した。

 ドラッグストアでは高価格帯の化粧品販売が好調だ。日本チェーンドラッグストア協会によると17年度の売上高は前年度比5・5%増の6兆8504億円と、大都市でのインバウンド需要を取り込んだ。

 流通各社の売り上げに対して、増加する訪日客は今後、一段と存在感が増しそうだ。

ニュースの最新記事

PAGE TOP