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17年度百貨店調査――訪日客・富裕層けん引、主要8都市、2年ぶり増収、免税・高額消費下支え。

[ 2018年8月15日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 百貨店は訪日外国人(インバウンド)の消費と富裕層の高額消費が売り上げを引き続きけん引している。主要8都市合計の2017年度売上高は2年ぶりに増収に転じた。ただ、その恩恵は十分に行き渡っておらず、地方都市は11年連続の減収で店舗閉鎖も相次ぐ。インターネット通販が勢力を増す中、18年度の設備投資では誘客を促す売り場作りへ、前向きな傾向がみられた。

 訪日客の増加に伴い、百貨店の免税売上高は引き続き好調だ。調査では、17年度の免税売上高が16年度に比べて「増加」と回答した店舗は198店のうち47%にのぼった。「倍増以上」と答えた店舗も7・6%を占めた。企業別に調査した16年度では「減少」と回答した百貨店が27・3%あったのとは対照的だ。

 外国人観光客の来店客数も、16年度に比べて「増加」と回答した店舗は41・9%、「減少」はゼロだった。客単価も16年度より「1〜3割増」とした店舗は14・6%。「4〜6割増」(3%)、「7割以上」(3・5%)も含め全体の2割強が伸びたと回答した。

 日本政府観光局(JNTO)によると、17年の訪日客数は16年比19・3%増の2869万1000人に達した。百貨店は客数、売り上げともに恩恵を享受した格好だ。

 ただ、免税売上高は「西高東低」(高島屋の木本茂社長)の傾向が顕著になっている。17年度の免税売上高を店舗別にみると、回答のあった53店のうち1位は伊勢丹新宿本店(東京・新宿)だったが、上位10店舗のうち4店を阪急うめだ本店(大阪市)や大丸心斎橋店(大阪市)といった関西の百貨店が占めた。格安航空会社の就航が多い関西国際空港を利用する訪日客の増加が影響しているとみられる。

 訪日客の利用を促すため、各百貨店は銀聯カードに加え、中国人向けスマートフォン(スマホ)決済の「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」など、支払い方式の充実を進めている。現地のインフルエンサーを活用した販促活動も進める。

 18年度も免税売上高が前年に比べて「増加」すると見込む店舗は37・9%。当面は堅調に推移しそうだ。

 高額商品の販売も好調だ。17年度の客単価が16年度に比べて「増加」と回答した店舗は42・9%。「減少」は18・2%にとどまった。一方で入店客数は17年度に「減少」と回答した店舗(42・9%)が「増加」(27・3%)を上回った。高額消費が入店客数の落ち込みを補った形だ。

 免税売上高を除く美術品・宝飾品・腕時計などの売り上げが17年度に「増加」したと回答した百貨店は23・3%。「減少」は19・2%だった。

 ただ、中間層の動きは鈍い。売上高の約3割を占める衣料品は全国の百貨店合計額が17年まで4年連続で前年を下回った。訪日客や富裕層の顧客を囲い込み、リピーターを増やせるかが生き残りのカギとなっている。

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