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コンビニ大手、三つどもえの戦い――ゲーム感覚、決済普及の鍵(読み解き今コレアプリ)

[ 2018年9月12日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 スマートフォン(スマホ)保有率の高まりとともに、様々な業界でスマホアプリの活用が浸透しつつある。その筆頭が小売業界。特に消費者との接点が多いコンビニエンスストア業界ではシェア争いにとどまらず、アプリ活用の熾烈(しれつ)な競争が起きている。急先鋒(せんぽう)が、6月に刷新したセブン―イレブン・ジャパンのアプリだ。

 アプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」によると、セブン―イレブンのアプリは6月、週間アクティブユーザー(WAU)ベースで刷新前の10倍以上のユーザーを獲得した。先行していたローソンとファミリーマートのアプリのユーザー数を一気に抜き去った。

 セブン―イレブンのアプリは刷新に伴って、独自性のある機能を強化している。

 そのひとつが「セブンマイルプログラム」。セブン&アイ・ホールディングス(HD)のグループ共通ID「7iD」を活用し、グループ各企業での購買金額に応じて、特典を付与するロイヤルティープログラムだ。

 セブンマイルプログラムは電子商取引(EC)サイトとリアル店舗の相互送客、会員のグループ企業内の回遊を促すことを主目的としている。

 コンビニの来店頻度の高い。そのためセブン―イレブンのアプリは、イトーヨーカ堂などセブン&アイHDグループ全体のオムニチャネル戦略の成否を左右しそうだ。

 セブン―イレブンのアプリでは「バッジ機能」が目を引く。会員や電子マネー「nanaco(ナナコ)」登録といった事務的な手続きのほかに、商品購入のような行動を「バッジ」として一元管理しており、ゲームアプリの「ミッション」のような楽しさがある。

 一方で、コンビニアプリの「コア機能」である決済機能に関しては、ローソンとファミリーマートに一日の長がある。

 ローソンでは、来店客が商品のバーコードをスマホで読み取って決済できるサービス「ローソンスマホペイ」を東京都内の一部店舗で始めている。

 2017年の日本銀行のリポートによると、日本でのスマホなどモバイル決済の利用比率は10%にも満たない。だが、今後、モバイル決済が普及する可能性は大きい。

 モバイル決済は、セブン―イレブンのアプリのバッジのような購買体験を楽しくする機能とともに普及すると筆者は考えている。

 スマホアプリは、企業の販促活動を「ゲームレベル」まで昇華できるからだ。曜日や時間に応じた訴求ポイントの変化や、ユーザーの習熟度に応じた1to1マーケティングも進行するだろう。

 単なる決済機能だけでは、モバイル決済のインフラを持つ米アップルや米グーグルにひとまとめにされてしまうのは避けられないであろうから。

(フラー最高マーケティング責任者 杉山信弘)

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