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ユニクロ、ネット通販の速さ追求、地方も最短1日、世界で倉庫自動化。

[ 2018年10月10日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 ファーストリテイリングはインターネット通販の利便性向上を急いでいる。通販サイトで商品を注文した際、同じ品物が店舗にあればそれを活用。顧客は地方でも最短1日で受け取れる。9日には倉庫の自動化も進めると発表、東京・有明の倉庫は最短15分で出荷できるようにした。商品力に加え、配送サービスのスピードアップでネット通販勢との競争に備える。

 このほど傘下のユニクロの全国の店舗で本格的に始めた。ネット上でTシャツなどを注文した際、店舗受け取りを選んだ顧客が対象となる。受け取る店を決めると、ユニクロは社内システムで店にその商品があるかどうかを確認。同じ商品の在庫があればそれを提供する。

 従来はすべて東京・有明の物流センターから配送していた。新しい取り組みでは地方でも最短1日で商品が受け取れるようになる。ユニクロは東京の倉庫から配送する費用や時間を抑えられる。個別に管理していたネットと店頭の在庫を一緒にでき、通販サイト上での欠品を減らし売り逃しも防げる。来店時の「ついで買い」も期待できる。

 同時に物流の核となる倉庫の改革も進める。ファストリは9日、物流機械大手ダイフクと戦略的なパートナーシップを結んだと発表。最新鋭の自動化設備を取り入れ、倉庫の効率を高めて人員を減らす。柳井正会長兼社長は記者会見で「良い商品や店舗があっても物流がしっかりしないといけない」と指摘した。

 10月から本格的に自動化した有明倉庫ではICタグによる検品のほか、保管や仕分けなどを自動化した。現時点で検品ミスはなく、作業員はピッキングで歩く必要もない。保管効率は3倍に上がり、省人化率は90%に高まった。以前は注文から出荷まで8〜16時間かかっていたが、最短15分に短縮したという。

 今後について、神保拓也グループ執行役員は「全世界の拠点で一気に進める」と説明。中国やタイ、オーストラリア、米国の一部倉庫で自動化に着手しており、新たに出店する全ての国でも採用する。投資額は「1000億円規模になる」(神保氏)とする。

 「注文から10日で顧客一人ひとりに合う商品を届ける」。ファストリの柳井氏がこう発言したのは2017年春のことだ。有明オフィスに企画から生産、物流などの本社機能を担う約千人のスタッフが移転し、「服づくり」の抜本改革に着手した。

 狙いの一つが需要の読み違いによる在庫不足や売り逃しを防止することだった。企画、生産、物流、消費者などの情報を生かし、新たなビジネスモデル「情報製造小売業」を目指した。

 国内では衣料品通販会社ZOZO(ゾゾ)や米アマゾン・ドット・コムなどネット通販会社が台頭しているが、柳井氏は「生産や物流など服の知見を多く持っている」点を指摘。店舗とネットの融合で勝負する。

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