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「PARCOWALKINGCOIN」(パルコ)――館内歩くだけで優待券(創るスマートビズ)

[ 2018年10月10日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 歩くだけで優待券が手に入る――。パルコのスマートフォン(スマホ)アプリを使い、パルコ館内で計測した歩数に応じて優待券と交換できるコインを進呈するサービス「PARCO WALKING COIN」だ。5月から全国のパルコで開始した。顧客に館内でのウインドーショッピングを楽しんでもらうと同時に、パルコは買い回りを促進する効果が得られている。

 パルコ館内で同社のスマホアプリの「POCKET PARCO」を起動し、チェックインの完了後に歩数の計測を開始。館内で再度アプリを起動すると、そこまでの歩数をカウントする仕組み。500歩の目標歩数を達成すると、500コインが進呈される。歩数の計測とコインの進呈は1日1回まで。チェックインの完了でも1店舗につき1日1回、最大100コインが獲得できる。

 特典は優待券だ。まず5万コインためると、500円分の優待券がもらえる。20万コインで1000円分、100万コインで2000円分などがもらえる。コインは買い物1円につき1コイン、館内のWi―Fi接続で100コインのほか、パルコの中にテナントとして入っているショップから届く新商品やおすすすめの記事を保存(クリップ)すると、1クリップ当たり10コインがたまる。

 「とりあえず館内をうろうろしてみようかな」。平日午後、パルコの1つで東京都台東区にある「パルコヤ」の入り口。神奈川県茅ケ崎市の40代主婦は笑顔でこう話し、POCKET PARCOを起動して歩数の計測を開始した。

 パルコヤは1〜6階の構成で、40代主婦はコスメや雑貨が並ぶ1階から順々に上の階に進んでいく。「コインをためるのがゲーム感覚で楽しめ、館内でいろいろな発見がある」(40代主婦)。スポーツ靴ブランドの「オニツカタイガー」といった普段訪れないショップに寄るきっかけにもなっているという。

 PARCO WALKING COINのサービスがもたらすメリットは客だけでなく、パルコやテナントとして入っているショップにもある。パルコでは「館内での客の回遊性向上は顕著に表れている」(グループICT戦略室)とサービスによる効果を分析している。

 全国の17店舗でPARCO WALKING COINのサービスを開始した5月14日から8月末までの期間中にサービスを利用している客の購入傾向は、アプリを起動していない客に比べて1人当たりの購買回数は2・69倍に高まった。さらに、1人当たりの利用店舗数が1・79倍、1人当たりの利用金額が1・84倍と上回る傾向という。

 場所や時間を問わず商品の注文が可能なインターネット通販勢に、小売業のリアル店舗は押されている。パルコはダウンロード数が80万を超えたPOCKET PARCOのアプリで客の来店動機を強めていきたい考えだ。(小田浩靖)

健康志向、誘客に生かす

 ▼歩数対応サービス 健康志向の高まりを背景に、スマホの歩数計アプリで割引や優待をするサービスは広がっている。外食業界では吉野家が歩数に応じて獲得できるポイントでクーポンと交換できる「歩く割」を開始。ドラッグストア業界では東北地方でチェーン展開する薬王堂も1月から、歩数をクーポンに交換できる「歩いてマイル」を提供している。

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