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千客万来、百貨店は踊る、高島屋や西武、ダンス動画でPR、横並びイメージ打破。

[ 2018年10月8日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 百貨店が自社ブランドのPR動画作りに力を注いでいる。高島屋は9月に従業員のダンスユニットによるプロモーションビデオを配信。そごう・西武は6月からイメージキャラクターに木村拓哉さんを起用した動画を放映し、訪日客に向けブランドの認知拡大に一役買う。百貨店が消費の主役から遠ざかるなか、ブランドの認知度や話題性で差をつけようと躍起だ。

 「ユーチューブ」上で配信された約4分の動画。男性6人がキレのあるダンスを披露する。この6人、いずれも高島屋横浜店(横浜市)の従業員で、婦人服やこども服・用品の販売、人事などに従事する20〜40代が、店内や横浜港の大桟橋、山下公園などで踊る。

 視聴回数は10月5日時点で1万7000回を上回った。「百貨店はエンタメ産業であるべきだ。従業員一人ひとりがエンターテイナー」と話すのは、ダンスユニットの総合プロデューサーを務める横浜店の青木和宏店長。

 7日にはクレディセゾン女性社員によるグループ「東池袋52」とのファッションイベントを開催。要望があれば、市内のイベントへの参加も検討する。総合プロデューサーの構想は広がり、公式ライバルユニットの結成も検討しているのだという。

 そごう・西武のPR動画は木村拓哉さんが西武渋谷店(東京・渋谷)の店内を巡りながらキレのあるステップを披露し、渋谷店の従業員たちも笑顔で踊るという約1分の動画だ。中国語の字幕も入れ、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」など5つのメディアでも放映。視聴回数は9月末まで計約1000万回にも上った。

 微博上では「日本に行くならこのデパートにぜひ行きたい」「木村拓哉のため西武の会員になりました」などとの投稿が上がる。そごう・西武の広告・宣伝担当の小林純一氏は「訪日客のブランドの認知度拡大のためには地道な活動を続けることが必要」と説明する。

 百貨店業界で動画PRに先鞭(せんべん)をつけたのは三越伊勢丹ホールディングスだった。2014年、世界各地の伊勢丹店舗やオフィスの従業員約500人を動員した動画は大きな話題を呼んだ。消費税引き上げ後の販売を盛り上げる目的だったが、その後は店舗そのものを売り出す動画PRは下火になった。

 今再びPR動画が話題になるのは、裏返せば百貨店の注目度が薄らいでいることが背景にありそうだ。現在、百貨店各社の売り上げを支えるのは免税売上高だが、今後は各店ごとの戦略の差が国内外からの集客で優勝劣敗を分けそう。ブランドのPR戦略も重要になってくる。(小田浩靖)

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