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ドンキの力、改革へ注入、ユニー・ファミマが筆頭株主に、スーパー再生委ねる(ビジネスTODAY)

[ 2018年10月12日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 ユニー・ファミリーマートホールディングスは11日、ドンキホーテホールディングス(HD)に資本参加すると発表した。子会社のユニーの株式はドンキHDに売却し、総合スーパー(GMS)事業を切り離す。ネット通販が勢いを増すなど小売業が変革期にあるなか、ドンキHDは独自路線で高成長を続ける。ユニー・ファミマはその成長力を取り込み、小売業の新たな姿を模索する。

 ユニー・ファミマは11月上旬からTOB(株式公開買い付け)を実施。ドンキHD株を最大20・17%取得し、同社の筆頭株主になる。1株6600円で買い付け、総額は2119億円を見込む。

 6割を保有するユニー株は2019年1月、ドンキHDに282億円で売却し、同社の完全子会社にする。ドンキHDはユニーの抱える有利子負債も引き継ぐ。

 ユニー・ファミマは傘下にコンビニエンスストアと総合スーパーを持つ。ドンキHDのディスカウントストアと合わせ、3つの違う小売りの業態を傘下に持つ連合体を作り、それぞれの業態の持つノウハウを共有する考えだ。

 ドンキHDは5年間でユニーの100店を業態転換する。ドンキHDは19年2月にパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスに商号変更する。ユニー・ファミマも19年春の株主総会に向け、社名変更や組織再編を検討する。

 11日記者会見したユニー・ファミマの高柳浩二社長は「グループ全体の強みを総動員し、新たな業態やモデルを作りたい」と述べた。ドンキHDの大原孝治社長は「(全店売上高で)約4兆7千億円のグループができあがる。互いに有機的に結合し、流通業界の荒波を乗り越えていく」と強調した。

 かつて小売業の花形だったGMSは専門店やコンビニに押され、退潮が著しい。最近はネット通販や大量出店で攻勢をかけるドラッグストアが立ちふさがり、流通各社の経営の重荷となっている。高柳社長も「想定以上に厳しくなっていた」と認める。

 2016年9月にファミリーマートと旧ユニーグループ・ホールディングスが経営統合する際も、ファミリーマート側は当初、GMSを切り離し、ユニー傘下のコンビニ、サークルKサンクスのみとの統合を求めていた。

 一時は地域に密着した品ぞろえや店舗運営でユニーの立て直しを試みたが、17年8月にはドンキHDとの資本・業務提携を発表し、自力でのスーパー再建に早々に見切りをつけていた。

 ドンキHDは実店舗主義を貫き、ネット通販が勢いを増す中でも売り上げを伸ばしている。迷路のような通路と高く積み上げた商品でジャングルのような売り場が特徴だ。ネット通販が利便性を追求する一方で、あえて安い掘り出し物を探し当てる楽しさを演出して集客につなげてきた。ネット通販事業を5月にやめ、実店舗に絞った。既存店売上高は9月までに25カ月連続でプラスだ。

 ユニー・ファミマがドンキHDと18年2〜3月、共同運営のディスカウント店に切り替えたユニー傘下のGMS「アピタ」「ピアゴ」の6店でも成果は出始めている。低価格の雑貨や日用品で集客するドンキ流の店舗運営を生かし、3〜8月に売り上げが前年比で1・9倍、客数は1・6倍に伸びた。

 ユニー・ファミマはスーパーを高収益店舗の運営ノウハウがあるドンキHDに委ねる。「ドンキと合わせたスケールメリットを生かしたい」(高柳社長)考え。消費者の購買データや決済情報などを共有し、新たな事業展開へとつなげることも視野に入れる。

 ドンキHDは、ユニー・ファミマの出資受け入れの先に海外展開も見据えている。米ハワイやシンガポールに進出し始めているが、中間所得者層が伸びる中国や東南アジアなど海外展開のノウハウは商社に分がある。ユニー・ファミマを8月に子会社化した伊藤忠商事の知見も生かしながら、海外事業拡大を見込む。

 ユニー・ファミマの主力で、小売業の勝ち組だったコンビニも、成長力に陰りが目立ち始めた。他のコンビニやドラッグストアと客の争奪が起き、人手不足や人件費の上昇で経営環境は厳しさを増しているからだ。ドンキHDと新たな小売業の姿をどこまで具体化していけるかが問われそうだ。

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