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多国籍タウン、店も七変化、在住外国人300万人時代、各地にコミュニティー、新宿に「エスニック」ローソン。

[ 2019年1月21日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 日本に住む外国人が増えている。直近で264万人と、5年前より4割増えた。今年4月には改正入管法の施行によって、この先5年間で働く外国人は約35万人増える見込みだ。企業などにとっては貴重な戦力だが、消費者としても存在感が一層高まる。売れ筋が訪日外国人(インバウンド)とは異なる在住外国人の300万人時代はすぐそこ。いろいろな国の人たちが増えればお店も変わる?

 東京・新宿の繁華街にある「ローソン新宿靖国通店」。一見、普通の外観だが、店に入ると左手の棚には、韓国の即席麺や中国のお茶、ハラル認証の飲料などが並ぶ。

 「まさか日本のコンビニでも買えるなんて」。日本在住の30代の中国人女性が買ったのは中国で人気のココナツ缶ジュース(188円)だった。

 インバウンド向けに化粧品などをそろえるコンビニエンスストアは多いが、ローソンでは昨年8月、新宿区と中野区の約60店で在住外国人向けの商品の取り扱いを始めた。まず韓国の食品10種類。反響が大きかったため10月から中国の食品5種類、11月からはハラル食品4種類を加えた。

 「アイデアは現場のオーナーから生まれた」と庄司考志マーケティング本部マネジャー。新宿区在住の外国人割合は12%だが、区内には日本語学校も多く、新宿靖国通店の場合、「実感ベースだがお客様の2割が外国人」(鈴木謙也店長)。

 限られた棚のスペースに海外の売れ筋をそろえるのは簡単ではない。同社では国際部が各国の人気商品を調べるが、「現地生産なので物流面がネックとなりがち。品薄になりそうな商品もある」(庄司マネジャー)。

 実は本場のエスニックな商品は「日本人のファンも多く、ハラルのジュースは日本人女性によく売れている」(鈴木店長)。今後、ハラルのカレーや香辛料などを増やすとともに、2月の春節(旧正月)には帰国しない在住中国人向けにセールも検討する。

 チェーン化で競争が激しいコンビニでは最近、特色を出すため、ご当地商品をそろえる傾向がある。日本に住む外国人の増加を見越して、ローソンでは外国人の間でローソンのブランドを浸透させる狙いだ。

 食品スーパーの「ライフ東砂店」(東京・江東)も近隣にはアジア系外国人が多い。この店ではフォーなど5種類の乾麺やパッタイソースなどエスニック食材をそろえたコーナー「アジアンキッチン」を設けている。店内をのぞくと、日本人客も買い物籠に商品を入れていた。

 ただ、日本のチェーン店が在住外国人を取り込むのは簡単ではない。

 ユニーは15年、ピアゴイセザキ店(横浜市中区)を建て替えて開業した際、商圏内に外国人が多いことを受け、食品売り場に中華料理用のコーナーを設けた。調味料を中心に取り扱ったが反応が期待を下回り、約1年でとりやめた。「(中国系の)来店客は多いが買うのは日本人と同じ食材。専用食材は専門店で買っていた」(同社)

 外国人が多く住む地域は、その外国人の母国の食材・商材を専門に扱う店舗もできやすい。伊勢佐木町の近くには、国内最大の中華街があり、本場の食材が手に入れやすいこともある。

 とはいえ、日本に住む外国人は今後も増え続ける。法務省によると在住外国人は約264万人(18年6月時点)と5年前に比べて4割増え、日本の人口の2%強を占める。4月の改正入管法によって、介護や建設業、飲食業で働く外国人は5年間で34万5千人増える見通しだ。

 さらに増加するとみられるのが留学生だ。日本学生支援機構によると、17年は16年比12%増の26万7千人で、5年前と比べるとほぼ倍増した。国別では中国人(約11万人)が最も多いが、最近はベトナム人(約6万人)とネパール人(約2万人)が急増している。

 留学生などの若者は学校や働く場所が多い大都市圏に集まる傾向がある。東京都では20歳代の人口のうち、10人に1人が外国人だ。ニッセイ基礎研究所の鈴木智也研究員は「海外ではスマホ決済が進んでおり、在住外国人の消費をつかむには、キャッシュレス決済対応なども必要になるだろう」と指摘している。

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