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パルコ、今秋にも東京・渋谷に実験店、未発売品、お披露目専門店、顧客反応、AI解析、メーカーに提供。

[ 2019年6月3日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 パルコは今秋、試作段階の商品を展示する「売らない店」を開く。来店者の反応を人工知能(AI)カメラで解析し、出品メーカーに提供。商品の改良や発売決定の判断に役立ててもらう。主力のアパレル不振が続くなか、物販だけでは生き残りは難しいと判断。メーカーへのデータ販売で収益源を広げるとともに、未発売の商品に触れる場を設けることで消費者の来店増を狙う。

 売らない店は「ブースタースタジオ バイ キャンプファイヤー」の名で展開する。資本業務提携するクラウドファンディング大手CAMPFIRE(キャンプファイヤー、東京・渋谷)と組み、第1弾として今秋に改装開業する渋谷パルコ(同・同)内に実験店を設ける。

 まず4日から専用サイト上で、両社がスタートアップ企業や大手家電メーカーなどに出品を募る。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用した機器などの分野で、試作段階の商品を置いてもらうことを想定している。

 その後、来店者の了解を得た上で、店内の様子をカメラで撮影。来店客の年代や性別に加え、実際に商品を眺めていた時間や反応などを分析する。客のデータはメーカーにフィードバックし、その対価として「出品料」を得る。初年度は150品の出品を見込んでいる。

 パルコは現在、キャンプファイヤーとクラウドファンディングサイトを運営する。出品メーカーが商品を実際に発売した場合、消費者はこのサイト上で予約や購入ができるという。今後は来店者の反応をみて、福岡市や仙台市などのパルコにも同様の店舗をつくることを検討する。

 利便性や割安さからネット通販で買い物する傾向は強まる一方、購入前に実際の商品に触れたいと考える人も多い。実際に店舗で商品を見てからネットで購入する「ショールーミング」は、一般的な行動パターンとして定着する。

 このため、パルコはネットと実店舗を融合することで、顧客の購入意欲を高める。ネット専業メーカーがパルコ内に期間限定店を設けると、商品が通常より2〜2・5倍注文が伸びるというデータもある。「売らない店」はメーカー、消費者双方にメリットがあるとみている。

 また「まだ見ぬ商品がある」という期待感を高めることで来店者を増やし、別の店などでついで買いを促す「シャワー効果」も見込む。パルコは「消費者が楽しむシカケだけでなく、BtoB(企業間取引)モデルとしても伸ばしていきたい」としている。

 パルコは主力のファッションテナントが苦戦し、2019年2月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比57%減の33億円だった。今後は売らない店に加え、飲食など物販以外のテナントを拡充し、集客力の向上を目指している。

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